皆様
9月7日の外国特派員協会での小泉元総理の記者会見は満室の盛況で、反原発の立場から「原子力村の嘘」を糾弾する明解な発信は強烈な印象を与えるものでした。
The gardian 紙、The Times 紙、Huffington Post 紙他が既に報じておりますがその他にも下記の記事が報じられております。
Former Japan PM accuses Abe of lying over Fukushima pledge Abes Fukushima under control pledge to secure Olympics was a lie: former PM Former Japan PM accuses Abe of lying over Fukushima pledge
Under control の主張を明確に「嘘である」と断言された小泉総理のこの度の発言は世界に拡散されつつあります。国際オリンピック委員会(ICO)が新たな対応を迫られるものと思われます。
「トモダチ作戦支援基金」のための小泉元総理の講演活動をマスコミは殆ど報じません。
このことに関し出席者から何故なのか質問がありましたが、小泉元総理は「原子力村の働きかけ」があるからであろうと答えられました。
今回の記者会見も日本のマスコミはほとんど報じておりません。
国際社会がかくも重視する問題をいつまでも回避することは出来ないはずです。
12年前、別添の「マスコミは「原発タブー」から覚醒して欲しい」との訴えを発信いたしました。
マスコミは「原発タブー」から覚醒してほしい 引用元:メッセージ 2004年8月25日
私はこれまで、脱原発を訴え続けておりますが、日本社会全体を覆う“原子力のタブー”の存在が最大の問題であると考え、その打破に全力を尽くしてきました。
このタブーの制約を受ける中心的存在は、マスコミです。マスコミの各媒体が「広告主(クライアント)」なしには存続不可能であることに起因していると思われます。不景気が続く中で、原子力発電を実施する電力会社の資金力は巨大であり、マスコミに対しても計り知れない影響力を有しているのです。
昨年8月、私は、日本で運転されている原発の圧力容器に、欧米で大問題になったキレツが存在するとの情報を入手しました。それを受けて、あるテレピ局が取材を進めておりましたが、その後、これか看過出来ない深刻な問題であることが判明した段階で、取材は突然中止されました。上からの指示があったとのことでした。まさにタブーの存在が示されたのです。 その後、この問題は週刊誌(2003年8月8日付「週刊金曜日」)と月刊誌(「世界」2004年新年号)が報道し、実質的に未だ落着していない問題であることが指摘されましたが、関係方面はこの報道を無視し続けております。 また、去る7月、砂利採取会社の元社員より私の元に、「浜岡原発のセメント骨材はアルカリ性反応を起こしうるものであるが、検査機関に対して虚偽報告を行い、無害なものとして納入された」との内部告発が寄せられました。 マスコミはこの情報を入手しながらも、いっさい報道しない状況か続いておりましたが、インターネット新聞「JANJAN」が8月1日、この件を詳しく報ずるに至りました。 これを踏まえ、中部電力は8月6日、記者会見を行い、その結果、マスコミはこの問題を大きく報道し始めたのです。2004年9月4日付[週刊現代](講談社)に詳しく掲載されています。同じ告発者は、東京電力の福島原発についても同様の告発を行い、これも「JANJAN」が報じました。
こうした事例は、タブーがインターネットにより破られた実例であり、かねて言われていたとおり、インターネットはマスコミに取って代わる新しい役割を果たしうることが立証されたと言えます。 社会のあり方なり国のあり方に、マスコミか与える影響には計り知れないものがあります。マスコミ批判はよく聞き、それなりの根拠もあります。しかし、マスコミの一角に「世のため人のため」の使命感に燃えた人たちが、珠玉のごとく存在することは大きな救いです。太平洋戦争末期に陸軍と東条首相にたてついて、〈一億玉砕・本土決戦〉を主張する竹槍主義に真っ向から挑戦した毎日新聞の海軍省担当キャップ新名丈夫氏のことが想起されます。
私は現在の物質文明から方針転換を図り、自然を尊重するとともに、個人の利得に代えて連帯に基づく新しい文明を追求することを訴えております。そして、唯一の被爆国として、脱原発を含む地球の非核化を訴えることが日本の責務だと考えております。さらに、世界の明るい将来に必要な倫理観と価値観の確立を図るために、マスコミの支援を得て市民社会の発展を促し、市民社会と政府の間の協力を強化することが緊急の課題だと考えております。
マスコミは今なお原子力のタブーに制約されておりますが、インターネットの登場により、これからは世論にもっと耳を傾けて行かざるを得ないと思われます。
このたびの美浜原発の大事故は、原発の安全神話を根本から崩すことになりました。マスコミはこの際、太平洋戦争をはるかに上回る犠牲者を生み得るのか、原発の大事故、とりわけ地震か惹起する原発震災であるということを十分認識し、原子力のタブーから自己を解き放つことを切に期待しております。
現在、未曾有の巨大地震が予測されている東海地域のど真ん中に位置する「浜岡原発」の運転停止を求める全国署名運動が進められております。 財界、政界.学界.芸能界などから四十人を超える識者・有力者が賛同者として参加しているこの社会現象を、なぜ報じて盛り上げようとしないのでしょうか.梅原猛氏(哲学者)、稲盛和夫氏(京セラ株式会社取締役名誉会長)、田中康夫氏(長野県知事)ら、そうそうたる顔ぶれは、それだけでニュースソースとして十分なはずです。
今こそ、マスコミの判断力が問われています.それは、けっして難しいことではなく、何が大事なのかを見極める常識と言ってもいいでしょう。 村田光平(元スイス大使)
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今あらためてマスコミに対して「社会の木鐸」の役割をより積極的に果たすよう訴える次第です。
当時に比べ国民の大半が反原発、反再稼働となった今日この訴えには、新たな重みが加えられたと思われます。
皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。