拝啓
重大な課題が山積する中での日夜のご奮闘に心から声援をお送り申し上げます。
ご参考までに所感をお届けいたします。
内外で変化の兆候が表面化し出しております。
その事例として最近のNHKの7名の解説委員による原子力政策批判、小泉元総理の外国特派員協会における東京五輪の寄って立つ基盤そのものである “under control”発言の否定と批判、五輪絡みの過大な予算要求の背景調査など貴知事による諸改革への意欲的取り組みを上げることが出来ます。
また、ご高承の「週刊新潮」(8月23日号別冊)及び「週刊文春」(9月15日号)東京五輪の「闇」に迫る記事は計り知れない波紋を生むものと思われま す。さらには、豊洲の盛り土をめぐる驚愕の不正の発覚は安全よりも利益第一、生命よりも経済第一という原発および東京五輪とも共通の姿勢にかかわる深刻な 問題であり、国民を日本における倫理の欠如の実態に目覚めさせる手始めになると思われます。
全国に広がっている金銭感覚の麻痺は、その背景として関係組織の過剰収入があることは明白であり、今後国民から都民税を含め大幅な減税の実施を求める声が挙がることは必至と思われます。
海外では小泉元総理の記者会見での発言が幅広く報じられました。とくに、米国のNavy Times 及び Stars and Stripesが取り上げたことは、海軍関係者、海軍出身者の今後の動きに影響をあたえるものとして注目されます。
https://www.navytimes.com/articles/sick-us-sailors-and-marines-who-blame-radiation-get-support-from-japans-ex-leader 有力なThe Associated Pressの報道に基づくThe Denver Post 紙の下記記事は米全土に拡散されております。
http://www.denverpost.com/2016/09/08/former-japan-premier-accuses-abe-of-lie-on-fukushima-safety/ 特に注目されるのは米西海岸に福島からの放射能汚染水が及ぼしつ得る被害につき警告を発し続けてきたRobert Huziker 記者の下記記事です。
世界に拡散された小泉元総理の外国特派員協会での発言により日本の国際的信用は地に落ちたこと、次回五輪は開催されようが、その場所はどこかが問題だと指摘しております。
http://www.counterpunch.org/2016/09/12/fukushima-backlash-hits-japan-prime-minister/ ご高承の通り空へ、海へと放射能の流出を止められない日本の福島事故処理への対応に国際社会は懸念と批判を強めております。6月には中国が公式に日本が実態を十分知らせないのは無責任だと批判していることが想起されます。
しかしながら日本においてはこうした動きに一切配慮すること無く五輪準備に邁進しております。誠に不可解です。
他方、東京五輪の安全性を再確認するようにとの市民社会からの要請を無視し続ける国際オリンピック委員会(IOC)に対する批判が強まりつつあります。
3年前にBach IOC会長宛に発出された著名科学者の書簡には返信もありません。IOCとしては、批判を躱すために招致の公約に全て違反したとの理由で日本に対して失格判定を行う可能性も排除されません。
東京五輪準備がもたらす各方面への被害は時間の経過に比例して増大するという深刻な問題となりました。
一日も早い日本による返上の自主的決定が待たれます。
貴都知事の格段のご指導とご尽力をお願い申し上げます。
敬具