本25日福島県 危機管理部 放射線監視室の酒井広行室長から寄せられた メールは福島の現状につき重要な情報を含むものです。取り急ぎ別添お届け致します。
特に福島第一の2号機問題に関する下記の指摘は緊急な対策を求めるものとして注目されます。
福島の現状 引用元:福島県 危機管理部 放射線監視室 酒井広行室長からのメール
竹本修三先生(京大名誉教授・大飯原発京都訴訟団長)の報告文を読みました。 先生の論点の燃料デブリの全容が把握できていない。M7クラスの地震動による影響が懸念されること、炉内構造物が長期に補修されることなく放置されることによるリスクが心配されることは、どれも廃炉問題の本質を射貫くものと思います。 同様の懸念は、福島県でお願いしている角山原子力対策監(元会津大学長、環境創造センター所長も兼務しており、原子力プラントに精通している方)も従来から指摘しているところであり、国や事業者に対して、様々な機会を捉えながら、適切にかつ早急に対応すべき大きな課題であると申し上げております。 県としても、引き続き、国・事業者の早急な対応について要求してい考えです。 昨年、11/22に福島県沖で大きな地震があったので、なおさらです。
○ ふくしまの現状について
・ 内部調査において、炉内線量が非常に高線量(場所によっては数百Sv/h)の報道がなされておりますが、県内の受け止め方は、「極めて冷静」です。
・ そもそも、運転直後の炉内線量は燃料棒から50cm位置で数万Sv/h程度ある旨の説明がなされており、今更ながら県民の中に驚く様子はありません。 むしろ、東京をはじめ全世界に向けてセンセーショナルに報道されたことから、(このような高線量では、廃炉は無理、帰還は夢のまた夢)のようにあおりを受けたのではないでしょうか。
・ 内部が高線量であるのは当然であり、むしろきちんと伝えるべき点は、そのような炉内と外側の作業エリア・発電所周辺の環境とは、バウンダリィ(境界)がしっかり形成され、きちんと隔離されていること、外側の線量には全く影響を及ぼしていない事実をこれからも明確に示していく必要があります。
・ 大事なことは、こうした内部の過酷な環境条件があるにせよ、放射線防護、遮蔽等の適切な措置を講じながら、作業の安全性を十分に確保して、廃炉作業を着実に進めることです。 発電所内での廃炉作業を担っているのは、現実として県内出身者が約半数(1日あたり約6,000人が出入りしています。)を占めていることも忘れずにいてください。
・ 最後に5輪の話ですが、ニュース等でご存じかと思われますが、この福島の地で野球・ソフトが開催されます。 村田様は、5輪を諸悪の根源のように断じておりますが、一方で、こちらの県民側にとっては、明るい話題の1つであります。 中には、これを復興の起爆剤として希望と期待に胸を膨らませている県民も多数おります。 是非とも、このことを十分にご理解のうえ、ご議論いただければと考えます。
・ 5輪、豊洲の話は、確かに日本国全体の問題とは思いますが、これを廃炉の話に直接結びつけることは、いささかお門違い、無理があるかなと思います。 我々、県民としては、こと発電所の話に関しては、国・事業者が事故の全責任を必ずや全うし、安全に廃炉を成し遂げていただくのみです。
長々と書きましたが、ふくしまの現状と県民の思い、期待等については、以上のとおりです。 よろしくお願いいたします。
「 ~ 心ひとつに 想いを ふくしまに ~ 」
福島県 危機管理部 放射線監視室 室長 酒井 広行 (さかい ひろゆき) |
2号機問題の存在だけでも再稼働など問題外であることが理解されます。
再稼働は福島の教訓を完全に無視するという暴挙であると大多数の国民は考えております。
地震大国、火山大国の日本に原発を54基も建設したことが「巨大な間違い」であったことが痛感されます。
安全保障の見地からも緊急に全ての原発の運転を停止することが求められている筈です。
皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。
村田光平
(元駐スイス大使)