お金儲け最優先の時代から変わりつつある世界の到来
ドイチャン珈琲(原産国/タイ王国)ってご存知ですか? 出会いは町田の鶴川にある行きつけのAコーヒー店(こちらは生のコーヒー豆を自家焙煎して販売している)です。店内には20種類以上のコーヒー豆と、6種類のブレンドしたコーヒー豆が瓶に入って並んでいます。お店を訪れるたびその日の気分でモカ・マンデリン・ガテマラ・ブラジル・オリジナルブレンドetcを買い求めていました。ある日陳列されている瓶の中に「ドイチャン (現産地/タイ王国)」というのが目に留まりました。 友人に土井さんという人がいましたから、しゃれでプレゼントしたら喜ばれるかもというのが最初の購入の動機でした。さしあげる前にまずは自分の舌で味わってみようと帰宅し飲んでみますと思いのほか私の好みにはまりました。
インターネットでいろいろ調べてみました。 ◆タイ国最北端の県チエンラーイ県は北にミャンマー、東にラオスとの国境を有し、 ドイチャン村(東経:90゜48‘16“ 北緯:20゜ 7‘40“)という山岳地帯にある村落で バンコクから北へ約780キロメートル、チェンマイから約180キロメートル 標高1,500mもあるこのドイチャン村で山岳民族によってコーヒーも農業の一部として大切に栽培されている。'DOI CHAANG'とは「土居ちゃん」という意味…ではなく、日本の土居珈琲さんともまったくの無関係。'DOI CHAANG'とは「象の山」という意味で、そういう名前の山がチェンライにあり、そこでもやはりアカ族が豆を作っている。
◆黄金の三角地帯(おうごんのさんかくちたい、タイ語: สามหลี่ยมทองดำ)とは、東南アジアのタイ、ミャンマー、ラオスの3国がメコン川で接する山岳地帯で、ミャンマー東部シャン州に属する。世界最大の麻薬密造地帯であった。別名ゴールデン・トライアングル(英語: Golden Triangle)と呼ばれ、アフガニスタン・パキスタン・イラン国境付近の黄金の三日月地帯と並ぶ密造地帯である。
◆タイのコーヒーは麻薬や貧困からの脱却を目的とした換金作物として近年普及してきた背景があります。これら麻薬からコーヒーへの作物転換の動きの中で、タイ王室がスポンサーとなったり、運動を支えるべく多くのNGOが活動に参加したりするようになった。 ◆これは10数年前から王室プロジェクトによって北部山岳地帯で(ケシ栽培に替わり)コーヒーの木(アラビカ種)が大々的に栽培されるようになったお陰で、アラビカ種の普及とともに良質なカフェも増えていった。タイコーヒーの品種はカチモール中心であるが、このコーヒーはブルボン品種。 カチモールに比べ、デリケートで生産量も落ちるブルボンだが、美味しいコーヒー作りを考える生産者によって実現した。(私の推測ですが、日本人のUさんの尽力も多大であったろうと思われます)タイのコーヒーにはフェアトレードや有機JASなど、自然や社会といった環境に配慮したコーヒーが多くシェードツリーに囲まれ、高地特有の寒暖差もあり、とても良質なコーヒーが生産されている・・・などとあります。
私が一番話題にしたいポイントは『世界最大の麻薬密造地帯』にケシノミ栽培に換わる農産物として『コーヒー豆』を生産したらどうか『より一層美味しいコーヒー豆を栽培する』という発想に至った人たちの知恵と努力です。 2002年、ケシ栽培禁止令が出て、サトウキビ畑などへの転換が大きく進んだが、その後代替作物の価格下落とアヘンの価格上昇が重なり、2007年ごろから麻薬製造が再び活発化…云々という経緯もあり、栽培に向けては困難も多々あったことでしょう。珈琲豆の生産量を上げて利益を追求するという発想をやめて美味しいコーヒー作りを志向してそれまで生産品種はカチモール中心であったものを、カチモールに比べ、デリケートで生産量も落ちるブルボン品種の栽培に敢えて挑んだ人たちの努力によって実現したのです。
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