遅番保育寸描 ①キャッチ&リリース
この4月から『遅番保育』担当の保育士をしています。私の勤務時間は11:30~19:15です。 17:00までは一時保育室をサポートして17:15~19:15は保育園の幼児棟の遅番保育のお子さんと延長保育のお子さんの保育をしています。 いろんなお子さんがいます。静かに遊べる遊びでこの時間帯を過ごせるお子さんはそれなりに見守ります。 いっぽう、どちらかというと活発なあそびをしたいお子さんもいてこのお子さんたちの対応で保育の工夫の日々です。 大人とのかかわりやスキンシップを求めてそれを「行動」という言葉で表現してきます。自分のあそびたいつみきの世界を大人にサポートしてもらって「もっと面白く遊びたい」お子さんがいます。それはそれでその子のあそびの欲求がどこにあるかを読み取って直接手を添えることや、やり方のアプローチにヒントを出したり励まし褒めたりします。 自力のみでは作り切れない構成を成功させたくて自己課題の限界に挑んでいます。
さてやっかいなのはかまって欲しくてじゃれてくるお子さんたちです。一人一人じゃれたい欲求の温度差がある子たちが2人~3人と束になってくるのですが、先頭切ってじゃれてくる子ども、仲間を得ていることでヒートアップしてくる子、なんか面白そうだとイレギュラーに加わってくるニュウフェイス。その欲求の温度差を読み取りつつ束になって程よく面白さを提供します。感じ取れる「面白さ」に対して彼らは貪欲です。
元よりこの時間帯は「静かに遊ぶ」「走り回らない」「大声を出さない」で安全に親御さんのお迎えまでの時間を過ごすというのが基本前提です。そこでこの範囲(ストライクゾーンをやや広めにとって)を極端に逸脱しない対応に努めます。ゆる~く規制しつつそれぞれの欲求に程よい満足を得られる境目を関わりの中で探っていきます。
延長保育のお子さんたちは18:15分におやつを食べます。 そのあと延長保育のスペースに移動します。この時には幼児組のお子さんに加えて2歳クラスのお子さんも含めた保育となります。 発達の段階が違いますから、あそび方や、欲求不満の表現(行動の言葉)が違ってきます。 次々とおもちゃをとっ散らかしていく2歳児が一人います。 彼の欲求や好みのあそびをその行動の中に読み取ることに努めます。 対応のアプローチにひと工夫ふた工夫が必要となります。 いわばこちらの保育の力量とセンスが問われているのです。 自由に動き回らせていたのではとっ散らかったおもちゃ群を片づけても片づけてもおっつきません。 そこで床に正座した私のモモの上に彼を座らせ落ち着けるような条件を探ります。当然彼は逃げ出そうとします。逃げおおせるぎりぎりのところで後ろから瞬時に抱き留めモモの上という「振り出し」にすわらせます。これを5分近く繰り返して遊んでみました。 7回に1回くらいの頻度でギリギリ微妙なところで逃げ切れるように捕まえそびれてみます。するとこのあそびが面白く感じたのでしょう。 わざわざ自分からモモの上に座ってきてリプレイをしたがりました。 『キャッチ&リリース』という遊び方の誕生のひとときでした。
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