6月13日、知人の作家から寄せられた相馬市訪問報告をお届け致します。
昨12日、BCC発信でお知らせした今週土曜日のTBSラジオの昼のワイド番組「東京五輪は返上すべきか」(
https://www.tbsradio.jp/151929)との関連で注目されます。
「私はきのう今日と、久しぶりに郷里の福島県相馬市に行ってきました。
大型店進出などで、私の店があった通りは完全に商店街ではなくなっており、過疎化が進んで寂れきっていました。
原発のことがあり、追い打ちがかかっています。
港の旅館に泊まりましたが、ほとんどの旅館は出稼ぎの作業員で毎日埋まっていて予約が取れませんでした。
相馬港での漁は、試験操業がたまに行われ、問題ないとされたものだけが(たぶん近隣にだけ)出荷されるようです。
タクシーで相馬湾周辺を巡ってもらい、ここまで津波が来たなどいろいろ説明してもらいました。
片づけられてはいますが、何もないただの更地であり、復興など及びも付きません。
湾の向こう側では、大規模な火力発電所が建設中でした。
なんと言いましょうか、「なにをやっているんだ」という感じです。
仙台に向かう電車の車中からも、同様の更地があちこちに目立ちました。
ある程度の町ならばとうに復興・再開発されているでしょうに、時が止まったかのようです。
まったく五輪どころではありません。忘れ去られています。
ひどい話であるのは重々承知していましたが、実情を目の当たりにし、珍しく郷土愛を覚えた次第です。
村田光平
(元駐スイス大使)