菅官房長官宛メッセージをお届け致します。
特に強調したのは地震の頻発を前にして深まる懸念です。
「五輪返上への世論の動きが実感されだしております。本26日の朝日新聞社説の「改革は待ったなしだ」はその一例です。国際オリンピック委員会(IOC)に対する風あたりも強くなりつつあります。専門家が警告するように福島第一で巨大地震に伴う原発大惨事が再発すれば、東京五輪の開催は返上を余儀なくされます。最近の地震の頻発に接し、その懸念が深まります。」
同社説が引用するバッハ IOC会長の発言が注目されます。
「五輪は政府・スポーツ界、財界などが結託して公金を浪費する事業だと市民から懐疑的に見られている。」
五輪精神を汚した東京五輪担当IOC副会長の更迭と無関係ではないことが推測されます。
返上決定が急がれます。
皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。
村田光平
(元駐スイス大使)
菅 義偉 内閣官房長官 宛メッセージ 引用元:村田光平
菅 義偉内閣官房長官殿 平成29年6月26日 村田光平(元駐スイス大使)
拝啓 17年前の原発事故の発生に言及した別添の年頭所感を読んで、我ながら旧態依然の現状に驚いております。 同所感では、市民科学者の故・高木仁三郎さんが、日本国民への最後のメッセージの中で、既に看取されるに到った原子力時代の末期症状の下で「巨大な事故や不正が原子力の世界を襲う危険」と「放射性廃棄物が垂れ流しになっていく」ことへの危惧の念を表明されたことに言及しております。 また、「隠蔽のみならず改ざんにより責任を回避してきた原子力産業」の実態を十分承知しながら原子力推進を続ける日本の関係者全員に対し、高木仁三郎さんが「破局的な事故を待って思い知るのか」と叫ばれている姿が、彷彿と目に浮かぶと記しました。 福島事故の教訓を学ばず、再稼働を進める日本の現状は旧態依然であることに衝撃を覚えます。 もし高木さんが生きておられたら震度7級の地震の発生による2号機建屋の崩壊がもたらしうる大惨事の対策を怠る関係者全員に対して、同様の警告を発するに違いないと思われます。 しかしながら救いとなるのは、当時と異なり国民の大半が脱原発を支持していること、不道徳な原子力の全方位の破壊力に世界が目覚めつつあることです。皮肉にも日本は福島事故と東芝の経営危機により意図せず脱原発の促進に貢献し出しております。
新たな時代の到来を予感させるに至っている日本の現状は、すべての人の道に反することは露見するという天地の摂理(歴史の法則)を実感させており、これが国民の良識の存在をも実感させております。
五輪返上への世論の動きが実感されだしております。本26日の朝日新聞社説の「改革は待ったなしだ」はその一例です。国際オリンピック委員会(IOC) に対する風あたりも強くなりつつあります。専門家が警告するように福島第一で巨大地震に伴う原発大惨事が再発すれば、東京五輪の開催は返上を余儀なくされます。最近の地震の頻発に接し、その懸念が深まります。
貴官房長官の一層のご指導とご尽力をお願い申し上げます。 敬具
追伸 第一線でご活躍中のお二人からの反響をお届け致します。
「驚きました。17年間にもわたり、学ぶ謙虚さがなかった、ということになります。無垢の子どもたちの未来を奪い、世界を汚染している罪深い国民に なってしまっています。真実は変わりませんことね。」
「世界の常識が通じない日本のままです。役所の中も変われない言い訳と忖度ばかり、だと多くの役人も認識していますね。それも出世の為と認識して、一部はあきらめムードのようです。やれやれ!」 |
(社説)五輪開催地難 改革は待ったなしだ 引用元:朝日新聞 2017.6.26.
五輪の行き詰まりを端的に示す話と言っていい。
東京の次の24年夏季大会をどこで開くかが、ことし9月に決まる。国際オリンピック委員会(IOC)は先日の理事会で、次々回28年大会の開催都市も一括して選ぶ方針を明らかにした。24年はパリ、28年はロサンゼルスになる見通しだ。
開催地は大会の7年前に選定するという規定があるなか、異例の判断だ。背景には肥大化した五輪への強烈な逆風がある。住民投票や世論調査で「五輪ノー」の民意を突きつけられ、撤退する都市が近年相次ぐ。
幸い24年大会にはパリとロスが名乗りを上げている。一方を有力候補のない28年にまわすのは、当面の対応としては良いアイデアかもしれない。
だが、どちらもすでに2回ずつ開催した実績をもつ。今や限られた巨大都市しか五輪を引き受けられないのが現実だろう。果たしてこの世界最大の祭典を今後も続けていけるのか。
わずか17日間の大会に、小国なら1年分の国家予算に当たる巨費がつぎ込まれる。それが今の五輪だ。豪華な施設を造ったのはいいが、大会後、廃虚と化している例は珍しくない。
「五輪は政府、スポーツ界、財界などが結託して公金を浪費する事業だと、市民から懐疑的に見られている」
バッハIOC会長自身の言葉を、IOCはもちろん、競技を運営する国際競技団体も真摯(しんし)に受けとめ、ともに抜本改革を急がなければならない。
1970年代にも危機があった。76年モントリオール五輪はオイルショックによる物価高騰で膨大な赤字を計上。返済に市民の税金が使われ、立候補をためらう都市が続いた。
IOCは84年ロス五輪から大胆な商業主義の導入に踏み切った。高額のテレビ放映権料などが入るようになって難局を切り抜けたが、その後も大会の巨大化は続き、現在に至っている。
IOCは3年前に、種目数を310、選手数を1万500人に抑える目標を掲げた。しかし東京五輪で早くも棚上げされ、疑問の声が出ている。大会規模の抑制と経費の削減は至上命令だ。施設の新設や改修にあたっても、大会後の利用見通しについて、これまで以上に冷徹な評価が求められる。
むろん東京も例外ではない。あわせて、会場に大観衆を集めなくても各地で迫真の競技を楽しめるよう、仮想現実(VR)映像を積極活用するなど、将来につながる工夫にとり組んでほしい。改革は待ったなしだ。 |