7月14日東京新聞朝刊(3面)は東電会長が福島第一から海に汚染処理水の放出を明言
した旨報じておりますので関連記事をお届けいたします。
既に7月3日海外からこの可能性を深刻に懸念する下記の記事が寄せられております。
http://yournewswire.com/japan-fukushima-nuclear-waste-dump-ocean/ 太平洋の放射能汚染の拡大を憂慮する国際社会の厳しい反響が予見されます。
本記事には看過できない不正確な記述がありますので指摘させていただきます。
1.汚染処理水は「7月6日現在、保管量は約77万7千トンで、タンク数は約5百八十基に上る」とありますが、
本14日、東電に照会したところ、6月22日現在の保管量は101万2384トン、タンク数は1000基であることが確認されました。
2. 汚染処理水から除去し得ないトリチウムについて「人体への影響は少ないとされる」と記されておりますが、
今から13年前に、ノーベル物理学賞受賞者小柴昌俊氏、マックスウエル賞受賞者の長谷川晃氏が 当時の総理大臣、
小泉純一郎宛てに出した別添の『嘆願書』でトリチウムは、わずか1ミリグラムで致死量とされる猛毒であることが
記されておます。
福島第一を隠せても米国に到達している太平洋の汚染は隠せません。「頭隠して尻隠さず」です。
日本は地球環境加害国との批判が強まることが懸念されます。
村田光平
(元駐スイス大使)
東電会長、汚染処理水の放出言及 福島第一から海に 引用元:東京新聞 2017年7月14日
東京電力福島第一原発で高濃度汚染水を浄化した後に残る放射性物質を含んだ処理水を巡り、同社の川村隆会長が報道各社のインタビューで「(東電として)判断はもうしている」と述べ、海に放出する方針を明言した。処理水はトリチウムを含み、第一原発敷地内のタンクに大量に保管されているが、風評被害を懸念する地元の漁業関係者らが海への放出に反対している。 東電の経営トップが公式の場で海洋放出に言及するのは初めて。トリチウム水については、有識者による政府の小委員会が現在、海洋放出を含めた処分方法を絞り込む議論を続けており、川村氏の発言は波紋を広げそうだ。 一方で原子力規制委員会の田中俊一委員長はこれまで東電に海洋放出を求めており、川村氏は「大変助かる。委員長と同じ意見だ」とも語った。 第一原発1~3号機では、事故で溶け落ちた核燃料を冷やすために原子炉圧力容器に注水を継続、この水が高濃度汚染水となっている。浄化設備で放射性物質を取り除いているが、トリチウムは通常の水と分離が難しく除去できない。 運転中の原発などでは、法令基準以下に薄めて海に放出しているが、第一原発では敷地内のタンクに保管している。保管量は増え続け、七月六日現在、約七十七万七千トンで、タンク数は約五百八十基に上る。廃炉作業への影響を懸念し処分を求める規制委に対し、東電はこれまで政府の小委員会や経済産業省との議論を踏まえる必要があり、単独では方針を決められないとしてきた。 インタビューで川村氏は「国の委員会の結論を待って次の展開をすることは致し方ない」と話し、実際の放出は政府の決定を待つ考えを示した。また「国というか県というか、いろんな方が支援していただかないとがんばりきれない」とも述べ、放出に当たり福島県の理解を求めた。 <トリチウム> 弱いベータ線を出す放射性物質で、水素の放射性同位体。半減期は12.3年で、人体への影響は小さいとされる。三重水素とも呼ばれ、自然界に存在するほか、原子炉内の核分裂などによっても生じる。水と性質が似ており、東京電力福島第一原発で汚染水から放射性物質を取り除く多核種除去設備(ALPS)でも除去できない。通常の原発では希釈した上で海に放出している。 |
国際核融合実験装置の誘致を見直して下さい 引用元:小泉純一郎総理大臣宛の嘆願書
(今から13年前に、ノーベル物理学賞受賞者小柴昌俊氏、マックスウエル賞受賞者の長谷川晃氏が 当時の総理大臣、小泉純一郎宛てに出した『嘆願書』です。)
「国際核融合実験装置(ITER)の誘致を見直して下さい」
核融合は、遠い将来のエネルギー源としては、重要な候補の一つではあります。
しかし、ITERで行われるトリチウムを燃料とする核融合炉は、安全性と環境汚染性から見て、極めて危険なものであります。
この結果、たとえ実験が成功しても、多量の放射性廃棄物を生み、却ってその公共受容性を否定する結果となる恐れが大きいからです。
燃料として装置の中に貯えられる、約2キログラムのトリチウムは、わずか1ミリグラムで致死量とされる猛毒で、200万人の殺傷能力があります。
これが酸素と結合して重水となって流れ出すと、周囲に極めて危険な状態を生み出します。
ちなみに、このトリチウムのもつ放射線量は、チェルノブイリ原子炉の事故の時のそれに匹敵するものです。
反応で発生する中性子は、核融合炉の10倍以上のエネルギーをもち、炉壁や建造物を大きく放射化し、4万トンあまりの放射性廃棄物を生み出します。
実験終了後は、放射化された装置と建物はすぐ廃棄することができないため、数百年に亘り、雨ざらしのまま放置されます。
この結果、周囲に放射化された地下水が浸透し、その面積は、放置された年限に比例して大きくなり、極めて大きな環境汚染を引き起こします。
以上の理由から、我々は、良識ある専門知識を持つ物理学者として、ITERの誘致には絶対に反対します。
平成15年3月10日 小柴昌俊(ノーベル物理学者) 長谷川晃(マックスウエル賞受賞者) |
トリチウムの恐ろしさに関するヘレン・カルディコット博士の見解をお届けいたします。
15日付朝日朝刊は吉野復興相が福島県漁連の抗議を踏まえ、処理水の放出に反対の意向である旨の記事を掲載しております。同記事は「第一原発の敷地には約580基のタンクに約7万7千トンがたまっている」と記されておりますが、正しくは既にご報告したとおり「101万2384トン、タンク数は1000基」です。
「トモダチ作戦の被害者救済」と関連づけた国際社会の新たな重要な動きが予見されます。
村田光平
(元駐スイス大使)
トリチウム汚染水が医学的に意味するところの9つのこと 引用元:ヘレン・カルディコット博士
ヘレン・マリー・カルディコット(1938年8月7日生まれ)博士は、オーストラリアの医師、著者、反核唱道者。
1977年には、ボストンのChildren’sHospital Medical Center のスタッフとなり、1977年から1978年までハーバード医科大学小児科にて教鞭をとる。
1977年から1986年の在米期間中(1961年に設立されたが実質1970年から1978年まで休止状態にあった)、Physicians for Social Responsibility(社会的責任を果たす医師団)を復活させ、1978年から1983年まで創立会長として、原子力の危険性について大衆や同僚を教育する事に専心する医師23、000人勧誘することに尽力した。
また、米国外においても、原子力、核兵器、核戦争の医学的危険性の教育に焦点を合わせた同様のグループを各国で設立した。
傘下組織であるInternational Physicians for the Prevention of Nuclear War(核戦争防止医師会議)は1985年にノーベル平和賞を授与。
カルディコット自身、1982年にAmerican HumanistAssociationからヒューマニスト・オブ・ジ・イヤー賞を授与された。
より詳しいことは→こちらへ。
1)放射能汚染水からトリチウムを分離する方法はありません。 トリチウム(エネルギーの低いβ線を放射しながらβ崩壊する)は、100年以上、放射性を持ったままの強力な発ガン物質です。
トリチウムは、(水に取り込まれると)藻類、海草、甲殻類、そして魚などの水生生物に集中して蓄積されます。
トリチウムは(他の核種と同様に)無味無臭で、目に見えないので、シーフードを含む食べ物の中に、今後何十年もの間、必然的に取り込まれてしまいます。
それは、DNA分子(つまり遺伝子)の中で結合します。 DNA分子の中では、後になってから、癌に結びつく変化が引き起こされる場合があります。
(トリチウムがDNA分子内で起こす変化は)脳腫瘍、赤ちゃんの先天性奇形、多くの臓器でのガンの原因となります。
この放射能汚染水を永久に封じ込めておく方法はなく、今後、50年以上の間、太平洋に漏出することは避けられないため、非常に恐ろしい事態が待っているのです。
あるいは、他の多くの放射性元素中でも、300年以上放射能を待ち続け、非常に危険な悪性の筋肉のガン(横紋筋肉腫)を引き起こす原因となるセシウム137、そして、300年間、放射能を出し続け、骨肉腫や白血病を引き起こすストロンチウム90を含む、他の多くの非常に危険な同位元素が、さらに長い年月をかけて太平洋に漏れ出ていくのです。
2)ほとんどのガンには放射線が影響していると考えられます。 福島や福島以外の多くの大地が汚染されてしまったので、茶、牛肉、ミルク、青菜、米などの食べ物は、今後、数百年にわたって放射能汚染されたままでしょう。
3)「除染」という言葉は、誤っています。 放射能に汚染された土壌、木材、葉っぱ、水から放射能を除去することはできませんし、できることといえば、別の敷地に移すだけです。
4)放射性廃棄物を燃やすことは、日本の汚染されていない地域を含む他の地域へ、ガンを誘発する原因を拡散することに他なりません。
5)ガンの発症までには長い潜伏期間があります。 それは、放射能に汚染された食物を食べ、汚染された空気を吸った後、2年から80年です。
6)IAEAは、(福島第一原発の原子炉を)廃炉にするまで、50~60年はかかるだろうと言っているし、何人かの人たちは、この困難な状況がクリアにされることはないし、取り除かれることもないと予想しています。
7)日本は、高線量の溶けた核燃料や燃料棒を、いったいどこに置くのでしょう。 地震で引き裂かれる日本列島に、この死の物質(アメリカ環境庁によれば、100万年の間、外気圏から隔離された状態に置いておく必要があるという)を保管できる安全な場所などありません。
8)これらの放射性元素は、絶え間なく水と海洋へ漏出したり、大気中に放出されるため、未来の世代へ向けて、必然的に、先天的奇形、癌、遺伝的欠陥の発生率が、時間の経過とともに増加していくことになるのです。
9)子供は、成人が受ける放射能による発ガン効果の10倍から20倍もの影響を受けます。(幼い女の子は、同じ幼い男の子の2倍の感受性があります)
さらに胎児は、成人の数千倍も放射能に対して感受性が強いのです。 特に、妊婦の腹部へのX線は、子供の白血病の発症率を2倍にすると見られています。 |