過労死を防ぐための残業制限が東京五輪の特例として5年間の猶予が認められてことが悲劇を生みました。新国立競技場建設に関わる建設会社の新入社員の自殺です。裁判沙汰となっている電通の新入社員の過労死と軌を一にする事件です。
残業制限の5年間猶予は一日も早く廃止するべきです。
7月28日付日刊ゲンダイは別添の久米宏氏の時宜を得た東京五輪返上論を掲載しました。
「一億総オリンピック病」、アメリカ3大ネットワークのゴリ押しによる「酷暑の開催は非常識の極み」、「選手間の競争であり、国家間の競争ではないと規定する五輪憲章違反の「目標メダル数発表」等々反論しがたい正論です。久米氏の返上論に「福島事故収拾への全力対応を可能とするため」という肝心の大義を追加することが望まれます。
7月28日福島原発事故の影響でセシウム以上の毒性を持つと言われている放射性ストロンチウムが東日本の広範囲に広がっているとの情報が寄せられましたのでお届け致します。
注目の人直撃インタビュー 久米宏 フリーアナウンサー 引用元:日刊ゲンダイ 2017.7.28.
メディアは24日に開幕まで3年を切ったと大ハシャギ。9条改憲も共謀罪も築地市場移転も東京五輪にかこつけ、押し通す。「そこのけそこのけオリンピックが通る」の狂騒劇に招致段階から反対し続けているのが、日本の放送史にその名を刻む元ニュースキャスター。歯に衣着せぬ舌鋒の鋭さは健在だ。 先月放送の「久米宏 ラジオなんですけど」 (TBSラジオ)のリスナー国民投票には驚きました。2000票超のうち「今からでも東京オリンピツクーパラリンピツクは返上すべき」が83%に達しました。
石原慎太郎さんが東京でやるって言った時から、僕は反対しているんで。リスナーの方々も僕に「忖度」して反対が多くなるとは思っていましたけど。予想以上でしたねえ。 前回の東京五輪を経験した年齢層ほど「返上」の割合が多い。 64年大会には意義があったと感じているのでしょう。開会式前夜はどしや降りで「明日はとんでもないことになるぞ」と思ったら、朝起きると、雲ひとつない快晴でね。この光景が非常に示唆に富んでいて。戦後20年足らずでオリンピックをやるなんて奇跡です。当時は日本人が自信を持ち、世界に復興をアピールできたけど、今回は何の意義があるのかと疑問に思っているのでしょう。
――都心では「レガシー」とか言って再開発がドンドン進んでいます。
僕がオリンピックに反対する大きな理由は、これ以上、東京の一極集中は避けるべきと考えるからです。既にヒト、カネ、コンピューターが集まり過ぎ。オリンピックは日本中の財や富をさらに東京に集中させます。首都直下型地震が起きたら、日本の受けるダメージが甚大になる。
――直下型地震はいつ起きても不思議はない、と危ぶまれています。
日本で開催するにしても東京だけは避けるべきなのに、ホント理解できません。
酷暑の開催は非常識の極み ――この季節、東京はうだるような暑さが続いています。
競技を行うには暑すぎます。台風も来るし。日本にとって最悪の季節に開催するのは、アメリカ3大ネットワークのごり押しをIOCが聞き入れているだけ。今からでもIOCに10月に変えてと懇願すべきです。
――アスリートファーストをうたいながら、選手には過酷な環境です。
ウソばかりつきやがってって感じですよね。なぜ真夏開催でOKなのか。本当に聞きたいんです、組織委の森喜朗会長に。アンタは走らないからいいんだろ、バカなんじゃないのって。この季節の開催は非常識の極み。開催期間の前倒しは難しいけれど、3ヵ月ほどの後ろ倒しは、それほど無理な注文じゃないと思う。 工事のスケジュールも楽になる。絶対に開会式は前回と同じ10月10日にすべき。 それこそレガシーですよね。
――こうした不都合な真実を報じるメディアも少ない。朝日、読売、毎日、日経が東京五輪の公式スポンサー。いわば五輪応援団です。誘致の際の裏金疑惑などを追及できるのか疑問です。
国際陸連の前会長の息子が、黒いカネを派手に使ったって、みんな気付いているんですけど。なんで追及しないのかねえ、あんな酷いスキャンダルを。
日本人は一億総オリンピック病に蝕まれている ――幼少期からオリンピック嫌いだったそうですね。その理由もメダルのことばかり騒いでいるのが疑問だったとか。
(おもむろに分厚い資料を出し)間違ったことを言っちゃいけないと思ってオリンピック憲章をプリントアウトしました。第1章6項1に〈選手間の競争であり、国家間の競争ではない〉、第5章57項には〈IOCとOCOG(オリンピック組織委員会)は国ごとの世界ランキングを作成してはならない〉とある。
――どの国が何個メダルを取つたかの競争を禁じるようにしっかり明文化しているのですね
ところが、日本政府はもう東京五輪の目標メダル数を発表しているんです。(別の資料を取り出し)JOCの発表は「金メダル数世界3位以内」。選手強化本部長は「東京五輪を大成功に導く義務があり、それにはメダルの数が必要」と言っていますが、ハッキリ言ってオリンピック憲章違反。国がメダルの数を競っちゃいけないのに、3年も前からJOCがメダルの数を言い出す。こういうバカさ加減が、子供の頃から変だと思ったんでしょう。
――お子さんの頃から。鋭かったんですね。
しかも、メダルの色や数で競技団体が受け取る助成金まで上下する。差別ですよ、完全に。
――普段から憲法を無視し、そのうえオリンピック憲章違反とはルール無用の政権ですが、丸川珠代五輪相も昨年ラジオのゲスト出演をドタキャンしましたね。
出演交渉したら「喜んで行く」と言ったんですよ。久々に会うから楽しみに待っていたのに、政務がどうとか言ってね、一週間前にキャンセル。理解に苦しみます。
――反対の意見は聞きたくないという今の政権の姿を象徴しています。
自分たちに非があるって分かっているんじゃないですか。プロセスがちっとも民主的じゃないですから。五輪開催について都民の声を一切聞かない。巨額の税金を使うのに、都民に意見を聞かずに開催していいのか。非常に疑問です。今からでも賛否を問う住民投票を行う価値はあります。
「今さら」ムードが国や組織を誤らせる ――多くの人々は「ここまで来たら」というムードです。
それと「今さら反対してもしようがない」ね。その世論が先の大戦を引き起こしたことを皆、忘れているんですよ。「もう反対するには遅すぎる」という考え方は非常に危険です。日本人のその発想が、どれだけ道を誤らせてきたか。シャ―プや東芝も「今さら反対しても」のムードが社内に蔓延していたからだと思う。
――都民の声を聞くのはムダではない、と。
90%が反対だったら、小池都知事も「やめた」つて言いやすいでしょう。彼女はあまり五輪に賛成ではないとお見受けします。石原さんが決めたことだしね。五輪を返上すると、違約金が1000億円くらいかかるらしいけど、僕は安いと思う。それで許してくれるのなら、非常に有効なお金の使い道です。
――24年夏季五輪招致に乗り出した都市も住民の反対で次々断念し、残るはパリとロサンゼルスのみ。IOCも28年大会に手を挙げる都市が現れる保証はない、と2大会をパリとロスに振り分ける苦肉の策です。
世界は気付いたんですよ、五輪開催の無意味さを。ソウル大会以降、開催国の経済は皆、五輪後に大きく落ち込みました。リオも今酷い状況らしい。しょせん、オリンピックはゼネコンのお祭りですから。つまり利権の巣窟。一番危惧するのは、五輪後のことを真剣に考えている人が見当たらないこと。それこそ「オリオリ詐欺」で閉会式までのことしか誰も考えていない。国民が青ざめるのは祭りの後。いいんじゃないですか、詐欺に遭っている間は夢を見られますから。今は豊田商事の証券を持っている状況です。
――また古いですね。
結局、日本人はスポーツが好きなワケじゃない。オリンピックが好きなだけなんですよ。ノーベル賞も同じ。科学とか文学とか平和が好きなんじゃない。あくまでノーベル賞が好きなんです。
――確かにオリンピックの時しか注目されない競技があります。
フェンシングとかね。カヌーもリオで日本人が初の銅メダルを獲得した途端に大騒ぎ。異常ですよ。日本人はカヌーが好きなんじゃない。オリンピックが好き。メダルが好きというビョーキです。
――世間はオリンピックのことなら何でも許される雰囲気です。
ラジオで「オリンピック病」の話をしたら、モンドセレクションも加えてくれつて電話が来ました。いっそ立候補する都市がもう出ないなら、IOCもずっと東京に開催をお願いすればいい。一億総オリンピック病なら安心でしょう。IOC本部もアテネの銅像も全部、東京に移しちゃって。
最後まで反対だけどいつ粛清されても… ――五輪反対を公言する数少ないメディア人として、向こう3年。反対を言い続けますか。
何で誰も反対と言わないのか不思議なんですよ。そんなに皆、賛成なのかと。僕は開会式が終わっても反対と言うつもりですから。今からでも遅くないって。最後の1人になっても反対します。でもね、大新聞もオリンピックの味方、大広告代理店もあちら側、僕はいつ粛清されても不思議ではありません。 (聞き手川本紙・今泉恵孝) |
日本政府はあまり言いませんが、福島原発事故の影響でセシウム以上の毒性を持つと言われている放射性ストロンチウムが東日本の広範囲に広がっています。
ホワイトフードさんがアメリカ政府のデータを使ってストロンチウムの放射能汚染地図を作成しました。セシウムの放射能汚染地図は沢山ありますが、ストロンチウムの放射能汚染地図は非常に稀です。
この地図を見てみると分かるように、ストロンチウムは横浜のような関東南部にも飛んでいました。例えば、神奈川県の横須賀では15.83Bq/kgものストロンチウムが平均で検出されています。実際に横浜のマンションでは195Bq/kgの放射性ストロンチウムが検出されたこともありました。事故直後は少し報道されていましたが、今では全く情報は出て来ません。
もちろん、横浜よりも福島に近い東京も例外ではなく、同じように汚染されている可能性が高いです。チェルノブイリ事故の時は学校などが積極的にストロンチウムなどの測定をしていましたが、日本ではストロンチウムを測定することが出来る場所すらない状態になっています。
Sr90は多くの拠点で検出されておりますので、関東のところの数値だけ列記致します。
神奈川県
横須賀 15.83Bq/kg、平塚 10.62Bq/kg、上野原市 5.14Bq/kg
千葉県
成田市A 18.60Bq/kg、成田市B 11.30Bq/kg、香取市 8.00Bq/kg
茨城県
龍ヶ崎市 4.45Bq/kg、神栖市 5.64Bq/kg
栃木県
小山市 7.02Bq/kg、栃木市 18.10Bq/kg、鹿沼市 3.03Bq/kg
日光市 5.2Bq/kg
群馬県 34.68B/kg
など、他多数ございました。