もどかしい
所用の帰り、初めて横浜市営地下鉄ブルーラインに乗りました。 坂東橋から乗車するとほぼ満席、入口から二つ目に空席を見つけ座ろうとしたのですが、端に座っている若い男が、海水浴からの帰りか真っ赤に日焼けした顔で、ぐっすり寝込んでいます。足元に大きなバックを置き、それをまたぐように足を放り出し通路の半分以上を占領しているのです。仕方なくその足をまたぎ座席に座って本を読みだしたのですが、乗り降りをするため前を通る人たちが、その足をまたいだりよけたりと大迷惑。よっぽど揺り起こして注意しようかと思ったのですが、何しろぐっすりと寝ているのと、最近こういうことでトラブルになったり、暴力事件なども耳にします。どうしたものかと読んでいる本にも集中できず思案していました。
やがて電車は新横浜駅に、多くの人が乗り降りし最後に杖をついた老婦人が乗ってきました。周囲を見渡し空席が見つからず諦めてドア横の手すりにつかまった時、周りに席を譲る気配がないので、これはと立ち上がり婦人に手招きをして声をかけた瞬間、私と入れ替わるように今まで熟睡していたはずの若者が立ち上がり婦人を自分のいた席に座らせてしまいました。あっけにとられバツ悪く立ちすくんでいる私に老婦人が隣に座るようにと手で指示、仕方なく今まで座っていた席にカムバック。若者はというと、ドアに寄りかかりながらスマホをチェックしています。再び本を読みながら、もっと早く若者に注意すべきだったのかなと考えているうちに若者はいずれかの駅で降り、老婦人も私の降りる一つ前のセンター北で、丁寧にお礼を言って降りていきました。 余計な考えをせず、もっと率直に注意をすべきだったのか、自分の不甲斐なさを責めたりと何とももどかしい体験でした。
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