安倍総理宛メッセージをお届け致します。
同メッセージの次の諸点は福島危機の深刻さを浮き彫りにするものです。
立命館大学の高橋 学教授はかねてより「スーパー南海地震」が2020年以前に発生する可能性が高いと指摘しております。
入口紀男東京工業大学特任教授は(1)福島第一原発の3階プールや地上の共用プールに沈められている合計1,573体の使用済み核燃料には広島原爆1万5千発分の放射能(セシウム137換算)が含まれている(2)日本には、合計で広島原爆100万発分(セシウム137換算)の放射能をもつ使用済み核燃料があることを指摘しております。
国民の生命と財産を守るために最優先するべきことは福島事故処理に全力投球し、広瀬隆氏の最近の著作での警告(「近く大事故が起る」)に耳を傾け、再稼働中の川内、伊方、高浜の3基の原発の運転を早急に停止することだと思われます。
村田光平
(元駐スイス大使)
スーパー南海地震 引用元:安倍総理宛メッセージ
安倍晋三内閣総理大臣殿
平成29年11月29日 村田光平 (元駐スイス大使) 拝啓
山積する重大な課題と日夜取り組まれる貴総理のご奮闘に心から声援をお送り申し上げます。 東京五輪の前途にとり深刻な不安要因が改めて浮上しました。 立命館大学の高橋 学教授はかねてより「スーパー南海地震」が2020年以前に発生する可能性が高いと指摘しております。 この度の韓国の浦項地震を踏まえ、同教授が改めて上記可能性に言及し、地震の規模は9・0超も考えられるとしている旨報じられております。 この高橋教授の見解につき、入口紀男東京工業大学特任教授の感触をお尋ねしたところ、早速下記の極めて示唆に富む貴重なコメントが寄せられましたのでご報告いたします。
入口教授の見解:<「スーパー南海地震」は、このたった今か、あるいは次の一瞬に起きてもおかしくないと私は考えています。すると、西日本から関東にかけて甚大な被害が発生するでしょう。東京五輪も開催できなくなるでしょう。 でも、真の問題は、たとえば、福島第一原発の1号機建屋の地上15メートル(3階)のプールに392体の、2号機建屋に615体の、3号機建屋に566体の、それぞれ使用済み核燃料が沈められていることではないかと私は考えています。
福島第一原発では、コンクリートでできた3階プールが年々老朽化しながら、高い放射線量に阻まれて誰も近づけないまま、次の大地震を待っています。この合計1、573体の使用済み核燃料には広島原爆1万5千発分の放射能(セシウム137換算)が含まれています。 いずれか一つのプールからでも水がなくなると、その放射能が福島第一原発の敷地全体を「照射」するでしょう。すると、もう誰も敷地に近づけなくなるでしょう。あるいは環境に「飛散」したり、格納容器内に溶け落ちた未使用核燃料が「再臨界」したりするかもしれません。すると、首都圏を含む東日本の大部分が非居住地域となってしまう恐れがあります。
日本には、合計で広島原爆100万発分(セシウム137換算)の放射能をもつ使用済み核燃料があり、各地の原発(運転停止中を含めて)の3階プールや地上の共用プールに沈められています。別系統の冷却用非常用電源もいつ失われるか分かりません。いつまでもひびが入らないコンクリートプールなど存在しません。その危うい状況は、福島第一原発と本質的には同じでしょう。>
上記の見解は、地震、津波大国の日本に55基もの原発を建設したことが「巨大な誤り」であったことを改めて想起させるものです。 東京五輪は山積する深刻な課題を無視して準備が進められており、内外からの批判が益々高まりつつあります。とりわけ、元ラグビー日本代表・平尾 剛氏の五輪返上を求める立場表明が反響を呼んでおります。 (http://www.asyura2.com/17/senkyo236/msg/228.html)
また、福島の状況に詳しいロス在住のRobert Hunziker米記者の2部から成る記事(追伸ご参照)は東京五輪が福島事故隠しに利用されているなど原発問題と表裏の関係にあることを指摘しつつ東亰開催を決定した国際オリンピック委員会(IOC)判断の是非を改めて問うております。
東京五輪の前途については南海地震発生の可能性についての評価が決定的要因の一つであるだけに、入口教授の見解が及ぼし得る影響が注目されます。
貴総理のご指導とご尽力をお願い申し上げます。 敬具
追伸 Robert Hunziker記者の記事は下記の通りです。 https://www.counterpunch.org/2017/11/22/fukushima-darkness/ https://www.counterpunch.org/2017/11/24/fukushima-darkness-part-two/ |