小泉元総理は、東京五輪誘致の決め手となった “under control”発言を「大嘘」であると度重ねて厳しく批判され、最近は細川元総理とともに「原発ゼロ・自然エネルギー推進」の立法化の国民運動に向けて動き出されるなど今なお活躍されております。特に注目されるのは福島事故処理の応援にあたった米軍「トモダチ作戦」の犠牲となった被曝米軍兵士の救済基金を設立され、募金はすでに3億円を超えるに至っていることです。400名余の被爆兵士による東電に対する損害賠償裁判が米国で行われることが決定しており注目されております。
別添の「漂流するトモダチ、アメリカの被バク裁判」(田井中雅人・エイミ・ツジモト著)の読後感で指摘しましたが、 原発問題は生命重視の人道問題であり、小泉元総理の上記救済基金設立の動機が純粋に人道主義であることが国民の理解と支持の背景にあると言えます。
このほど発出した小泉総理宛メッセージをお届け致します。
村田光平
(元駐スイス大使)
「漂流するトモダチ、アメリカの被バク裁判」 引用元:「田井中雅人・エイミ・ツジモト著」の読後感
ご恵送頂いたご著書を拝読いたしました。 放射能被害の実態をありのまま伝える画期的著書が出版されるにいたり、ご同慶の至りに存じます。これまでの無数の被害者の計り知れない苦しみが如実に総括された感があります。 本当お疲れ様です。本書が世界中に拡散されることが望まれます。
放射能の安全神話にしがみつく関係政府、電力会社は「嘘つき」との印象を明確に読者に与えております。「賽は投げられた」のです。 米国のディスカバリー制度により東電は窮地に立たされることが予見されます。 原子力は不道徳、原子力は関わるもの全てを破壊する破壊するなどの指摘の正しさが益々立証されだしております。
本書の最も意義深いメッセージは原発問題は生命重視の人道問題であることを訴えていることだと思われます。ここから小泉元総理の活動との関わりが生じます。その動機が純粋に人道主義であることが国民の理解と支持の背景にあります。
小泉、細川両元総理のイニシャティヴで発足した「原発ゼロ・自然エネルギーう推進連盟」(原自連)の発足により示されたされた脱原発の支持層の拡大は、原発問題を本来の生命重視の人道問題と捉え、革新・保守間の政争を超越することを可能とするものです。
この点に関して1月26日付東京新聞は、オリックスの宮内義彦シニア・チェアマンが「世界で格差拡大、経済に規制必要」」との考えに傾いたと報じております。 弱者配慮の母性文化が政界に続き経済界にも浸透しだした兆しとして評価されます。 すべての政党に弱者への配慮を一層重視する勢力が台頭して政界再編に影響をおよぼすことが予見されます。これが男性が主役を演じる父性文明から女性が主役を演じる母性文明への転換が実感されだしている背景にあるものと受け止めております。
右翼・左翼の対立から父性・母性の対立となればイデオロギーの対立が超越され、「弱者への配慮」」が基軸となり、従来の考えからは掛け離れた政界再編成への道が開かれると思われます。
小泉元総理と本書との関わりが重要と考える所以です。
村田光平 |
国際核融合実験装置(「ITER」)の誘致を見直すよう 引用元:小泉 元総理宛メッセージ
小泉純一郎総理殿 平成30年2月11日 村田光平 (元駐スイス大使) 拝啓
原子力規制委員会のトリチウム汚染水の海洋放出に抗議する市民活動が報じられておりますが、2003年3月10日小柴昌俊(ノーベル物理学賞受賞者)及び長谷川晃大阪大学名誉教授(元米国物理学会プラズマ部会長)は「国際核融合実験装置(「ITER」)の誘致を見直すよう」との別添の嘆願書を貴総理に提出し、トリチウムの恐ろしさを指摘しております。 お二人の署名の取り付け役を果たしたことが想起されます。 そのITERはその後六ケ所ではなくフランスに建設されることとなりました。
本嘆願書はその意義深さに鑑み、改めて内外で注目されると思われます。 福島事故に由来する放射能汚染は地球環境を脅かすものとして国際社会は 危機感を深めつつあります。
貴総理のご指導とご尽力をお願いい申し上げます。 敬具 |