小泉元総理の記者会見
3月7日、日本外国特派員協会で行われた小泉純一郎元総理の記者会見については東京新聞記事などで報じられておりますが、注目される諸点を報告させていただきます。
会見を通じ原発ゼロへの並々ならぬ情熱が看取されました。 同会見には原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原事連)の吉原毅会長及び河合弘之事務局長も陪席しました。
1. 原子力に関する3つの「大嘘」(安全、安価、環境に優しいエネルギ−源)を厳しく非難され、特にこの期に及んで再稼働を進めることを強く糾弾されました。原子力関係者は優秀で人柄も良いのに何故未だに安全よりも経済を重視するのか、どうしても理解できない旨強調されました。
2. 事故後の7年間停電は皆無で、原発がなくても電力不足は生じないことは立証済みであることを強調されました。
3. 日本の核武装の可能性についての質問に対しては、核兵器開発には数回の実験を行うことが不可欠であるが日本にはそのような場所はないことから問題外であると一蹴されました。
4. 全会一致で黒川 清委員長のもとで発足した国会事故調の結論(「規制する側が規制される側に丸め込まれた」など)に言及され、その意を体して原発ゼロを急ぐべき旨述べられました。
5. 新党を起ち挙げる意向の有無の質問に対しては、自民党の中にも原発ゼロに賛成する議員も多く、新たな党を作るよりも自民党を変える方が適当と考える旨述べられました。総理大臣が原発ゼロを決断すれば政策転換は可能であり、安倍総理は無理でも次期総理への期待は許されるとの立場を示唆されました。
6. 小泉進次郎議員による原発ゼロ実現の可能性についての質問に対しては、同議員は父の発言をよくフォローしており、本も読みよく勉強していると指摘されましたが、どうなるか先のことは分からない旨述べられました。
小泉元総理を顧問とする原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原事連)はこのほど「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を発表しましたが、今までまともに国会でまともに議論されなかった問題が予算委員会などで取り上げられ、選挙の争点になる突破口が開かれたと言えます。
村田光平 (元駐スイス大使)
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