朝日新聞DIGITAL https://www.asahi.com/and_M/20200522/12369021/ は、
坂本龍一「“無駄”を愛でよ、そして災禍を変革の好機に」文明をバージョン1.5に進化させるために――と題して世界が直面するコロナ危機に関する坂本氏のインタビューを掘り下げて紹介しております。坂本氏の見解の深さ、広さ、そして高さに感銘を覚えます。
なお、坂本氏はこれまで折に触れ私の活動に対し声援をお送りいただいており、また、私が関与した浜岡原発の運転停止を求める全国署名運動の発起人にもなっていただいた経緯があります。
断片的ながら坂本氏が指摘された下記の諸点を特に紹介させていただきます。
1.検査を受けられないのは人権侵害だ。検査しなければ感染の実態がわかるはずがない。
2.コロナ被害はグローバル化の負の側面が顕在化したもの。
国外の安い労働力に依存し、国内の労働力は調整しやすい非正規に切り替える。いざ感染拡大防止のために各国がモノやヒトの流れを国境で止めた途端、経済自体が立ちゆかなくなる。
3.グローバル資本主義がパンデミックを引き起こしやすい地球環境を作ってしまった。資本主義が行き着いたグローバル経済のあり方を根本的に問い直さなければ、もう人間に未来はない。
4.過剰な開発と都市化、そして生態系の破壊が人間と野生動物との接触機会を増やし、未知の病原体に感染するリスクも高めたわけです。
5.幸運なことに日本はなぜか今のところ感染者数も重症者数も爆発的に増えていませんが、今後を考えると改善しなければ非常に危うい。
日本が世界に誇る坂本氏がニューヨークから今後の世界の在り方について積極的に発信されることを期待してやみません。
村田光平
(元駐セネガル大使)
追伸 「検査しなければ感染の実態がわかるはずがない」との指摘は重く受け止める必要があります。日本での検査が求められている飛躍的増加が今だにに見られないのは「東京五輪配慮」が原因との見方が否定し難くなりました。