東京五輪特需はすでに完全終焉。開催しても経済浮上せず。
知人を介して骨子下記の興味深い論考が寄せられましたのでご参考までにお届けいたします。
最近に至りテレビでもようやく五輪中止が話題として取り上げられるようになりました。 新型コロナの感染者が1000万人、死者50万人と報じられるにいたりました。
一日も早い中止決定が待たれます。
村田光平 (元駐スイス大使)
記
すでに東京五輪のインフラは完成しており、本番の実施以外には特段新たな需要はでない状況です。 深刻なのは「地方都市」で、五輪開催のついでにインバウンドの観光収入の増加を見込んでいた地域です。 廃業や破綻に追い込まれる事業者が続出しそうな厳しい局面に追いやられています。 消費という側面での特需はここからはほとんど表れないことになりそうな、かなり悲惨な段階に入りつつあります。 現状で刈り取れる五輪関連需要は、ほぼ何もなくなってしまったのは明らかです。 新スタジアムの建設、選手村の建設など施設に対する直接的な投資額は5,000億円程度ですが、日銀が2015年にまとめたペーパーによれば、建設関連費の総額を含めればほぼ10兆円の効果はすでに刈り取られたことになるわけです。 猛烈に速いスピードで日々動いている世界経済の中で、レガシー効果などという荒唐無稽でおめでたい話に11兆円の効果を期待するのも、相当な違和感を感じさせられます。 この東京五輪1年延期で、6,000億円超えの損失金額が算定されはじめています。
我々は自国のことだけを優先して考えがちですが、主要国以外の参加国は21年に向けて参加代表選手を再選考する余裕もなく、経済と財政の立て直しのほうを優先すべきところがほとんどの状況です。 仮にワクチンがなんとか完成したとしても、世界にそれが流通することを短期間に実現するのは不可能でしょう。実はもう関係者は実施が不可能であることを認識していて、発表を遅らせているだけではないか?という穿った見方も登場しています。
石原元都知事が「日本人には夢が必要だ」などというもっともらしい話で開催に立候補したところから始まった東京五輪。贈賄疑惑は出るは、真夏の開催にはなるはで、ケチの付き通しとなっています。 株式市場では、五輪特需銘柄などというものはとっくの昔に消えてなくなっているのが現状です。
一刻も早く中止にして、もっと本質的な国の立て直し・経済の立て直しに尽力すべきではないかと思います。
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