福島事故の教訓無視が招いた悲劇
玉木雄一郎国民民主党代表から寄せられた政策提言(『ゆういちろうが行く』vol.359)に対する返信をお届けいたします。
今求められるのは政治的立場を超越した人道的立場からの対応であることを述べ、この趣旨を各方面に訴えている一例として脱原発に懸命に取り組んでおられる小泉純一郎元総理宛メッセージを紹介いたしました。同メッセージでは2021年10月スイスでの「世界倫理会議」の開催、コロナ後は倫理、哲学に立脚した新世界秩序の構築を目指すべきだとの見解が有力になるとの見通しに言及いたしました。
コロナ禍は重大な局面を迎えつつあり、市民社会の役割はますます重要になりつつあると思われます。
村田光平
Sent: Thursday, December 31, 2020 9:51 PM To: 玉木 雄一郎 Subject: 福島事故の教訓無視が招いた悲劇
玉木雄一郎代表殿
貴重な政策提言を受領いたしました。
貴代表の下記のご主張に全面的に賛同いたします。臨時国会の開催が急務となりました。
「経済との両立はもちろん大切ですが、アクセルとブレーキを同時に踏むことで効果が減じているし、費用と時間ばかり浪費しています。結果として、経済への悪影響を長引かせていると考えます。
そして、これも何度も提案しているように、「補償(給付金を含む)」と「罰則(過量を含む)」がセットになった特措法改正が急務です。」
日本の急務は福島原発事故の教訓「経済重視から生命重視へ」を生かすことです。世界に広めるべきであったこの教訓が無視されることが招きつつある悲劇の拡大を一日も早く食い止めることが急がれます。今求められるのは政治的立場を超越した人道的立場からの対応です。この趣旨を各方面に訴えておりますが、その一例として脱原発に懸命に取り組んでおられる小泉純一郎元総理宛メッセージを添付させていただきます。
村田光平 (元駐スイス大使)
(小泉純一郎元総理及び小泉進次郎大臣宛メッセージ)
小泉純一郎総理・大臣殿 令和2年12月28日 村田光平
拝啓 コロナ感染の第3派が深刻化し、医療崩壊が不可避と言われだしたこの年末年始を前にして、所感をお届けいたします。
「経済重視から生命重視へ」という福島事故の教訓を忘れることの代価を思い知らされつつある中で、内外の市民社会は、2021年10月スイスでの「世界倫理会議」の開催に漕ぎ付けました。世界が直面する危機が文明の危機であり、その真因が倫理の欠如であることが認識されるに至ったからと思われます。
他方、力と支配に立脚する父性文明から、倫理と連帯に立脚する母性文明への移行が求められており、その動きが実感されるに至っております。このように確認される人類と地球を守る天地の摂理(歴史の法則)の存在に未来への希望が見出されます。
老子は、あらゆる悪事は最後には露見して罰せられると諭しております。不道徳の永続を許さないのが歴史の法則です。
プラトンの「すべての王様は哲学者でなくてはならない。さもなくば人類の不幸はなくならない」との見解が改めて想起されます。
コロナ後は倫理、哲学に立脚した新世界秩序の構築を目指すべきだとの見解が有力になるものと思われます。
貴総理・大臣の一層の御活躍と御健康をお祈り申し上げます。 敬具
|