御存知の通り今年4月、日本政府は福島第一からの汚染水海洋放出を決定しました。
放出予定は2023年からであり、まだ2年間あります。
国際社会はトリチウムを含む放射性汚染水の海洋放出を許す筈はありません。
知人から米国のNGO Beyond Nuclearのケヴィン・キャンプスさんのメッセージが寄せられましたので共有させていただきます。
2003年3月、小柴昌俊(ノーベル物理学賞受賞者)、長谷川晃(元米国別離学会プラズマ部会長)両氏の意向を受け、「国際核融合実験装置(「ITER」)の誘致を見直すよう」との嘆願書を小泉総理(当時)に提出して誘致が断念されたことが想起されます。
同装置で使われる2キロのトリチウムはわずか1ミリグラムで致死量とされる猛毒で、チェルノブイリ原子炉の事故の時の放射線量に匹敵することが同嘆願書で指摘されました。
放射性汚染水の海洋放出は不道徳・無責任です。歴史の法則が立ちはだかる筈です。
「倫理資本主義」が世界の耳目を集めるに至ったのは世界に倫理と哲学が欠如することへの反省がその背景にあると思われます。
世界に存在する430余基の原発の過酷事故の発生は何としても防がねばなりません。これらの禍根の全廃が急がれます。
市民社会はかねてより地球倫理、母性文明、そして核廃絶への道を開く国連倫理サミットの開催を呼びかけてきておりますが、同サミットで原発全廃の国際的合意の成立を目指すことは緊急の課題と言えます。
日本一新、世界一新に思いを馳せる皆様の御指導と御支援をお願い申し上げます。
村田光平
(元駐スイス大使)