小泉純一郎元総理の脱原発活動を支える原自連(原発ゼロ自然エネルギー推進連盟の吉原毅会長(城南信用金庫名誉顧問)から自然エネルギー新聞の新春随想への「地球温暖化防止のための原発推進は、世界の破滅をもたらす」と題する下記寄稿文が寄せられましたので共有させていただきます。これまでの論議を根底から一変させる素晴らしい内容で、既に多くの賛同者の支持表明に接しております。
原発は無責任、不道徳です。
市民社会は不道徳の永続を許さない歴史の法則に希望を見出しております。
皆様の御理解と御支援をお願い申し上げます。
村田光平
(元駐スイス大使)
地球温暖化防止のための原発推進は、世界の破滅をもたらす 引用元:吉原毅
地球温暖化の原因はCO2の排出による温暖化ガスの増加であり、人類は脱炭素社会へ向けての転換を急ぐべきであり、もはや一刻の猶予もならない、これに対する科学的な議論はすでに尽くされており、議論の余地はない、今行動しなければ地球環境は壊滅的な危機に陥るであろう。こうしたIPCCの主張がCOP26を契機として世界的に高まっている。
しかし科学とは仮説と議論の積み重ねであり、それに基づいて様々な施策が展開されねばならない。議論を封じてとにかく行動を急げという姿勢はファシズム、全体主義であり、もはや科学ではない。
そうした中、再生エネルギーは遅々として開発が間に合わないので、原発の再稼働や小型原発の新設を急げという議論が出始めており、EU議会でもフランスでも、原発を脱炭素エネルギーの選択肢の1つとして積極的に活用すべしという論調が強まっている。
じつは、脱炭素の旗振り役として、世界の中心で活躍しているIPCCは、意外なことに、原発の活用を脱炭素の選択肢として、過去一貫して認めてきた。環境問題の救世主のようなイメージを持つIPCCだが、原発に対するこうした不自然な姿勢をとってきたことは無視しえないことである。
90年代の終わりに、アルバート・ゴア氏が「不都合な真実」という映画を作り、ゴア氏とIPCCがノーベル平和賞を得たが、それを契機に、「原発ルネッサンス」の風潮が世界に広まり、それを背景に、経産省官僚の仲介でウエスティングハウスの原発部門を東芝が法外な値段で購入させられたのはまだ記憶に新しい。ちなみに「不都合な真実」では、2020年に海面が20メートル上昇し、NYとロンドンが水没するというとんでもない予言が描かれたのである。人々をヒステリックに運動に追い立て、原発を推進しようという勢力は、フランスやイギリス、アメリカに根強く存在するのだ。
地球温暖化防止の観点から原発再稼働を求める論調が我が国のマスコミにも出はじめているが、とんでもない亡国の議論である。日本は地震大国であり、原発はわずかな地震で破壊される。フクシマの爆発事故は津波ではなく地震による故障が原因である新事実もわかってきた、巨大事故が起きれば国家は消滅する。誰もその責任は取れないのが原発だ。我々、原発ゼロ自然エネルギー推進連盟は、こうした「化石燃料の代わりに原発を」という議論を絶対に認めない。原発事故は国家を消滅させる「亡国のエネルギー」「世界破滅エネルギー」であることを改めて肝に銘じたい。 |