昨日、今やっている事業の打合せが千代田区四番町でありました。
以前、経営していた会社が一番町にあり、二十数年ぶり界隈への訪問にノスタルジーを感じながら出かけました。
地下鉄半蔵門線の半蔵門駅をエスカレーターと階段で駆け上がると懐かしい交差点。
先ずは、会社が入っていたビルを目指して一つ目の路地を曲がると、あれ、見覚えがあるような、ないような光景。左の大邸宅、これは誰の家だったかなと塀に沿って左に曲がり表札を見ると「王友荘」。アッそうか王子製紙の迎賓施設。パアーと記憶が蘇ったような。
しかし周りを見渡すと新しい高層マンションばかりで記憶と一致するものはほとんどありません。ただ数年間いたところなので方向感覚はまだ健在、目指す方向へ進んでいくと前方から綺麗なコーラスの歌声と見覚えのある校舎が、女子学院です。
ということは、近くに日本テレビの元本社ビルがあるはずと見渡すと、向かいに窓がほとんどない大きな異様なビルが。
何だ、これはと表に廻り表札を見ると「日本テレビ番長スタジオ」。なるほど窓がないはずだ。
そして本社ビルがあった所は広い公園になっていました。
結局、会社が入居していたビルは見つからず、帰路に託すことにしました。
それにしても数年間通った街がこんなにも変容しているとは、浦島太郎になった気分、驚くばかりです。
経済成長停滞の二十年と云われますが、高級高層マンション群を目のあたりにすると、どこの話という気さえします。
打合せが終わり帰路、今度は難なく入居していたビルは見つかり、ここだけは昔のまま、入っていた部屋には、一時保育所が入っていました。
ちょうど昼時、よく通ったカレー屋にと思い立ったのですが、これも二十数年経ち現存するかどうか、場所も狭い路地を入った突き当りとしか記憶になく不安でしたが、表通りに欧風カレー「プティフ・ア・ラ・カンパーニュ」の看板があり難なく入店。
メニューも昔のまんまビーフ、ポーク、チキン、エビ、カニ、アサリ、ホタテの七種類から甘口、中辛、大辛で注文。
付け出しにふかした小さなジャガイモが出てきて「アレ、以前はゆで卵ではなかったの?」と店員に聞くと「当店は40年前からジャガイモです」とつれない返事。
でも、カレーの味は辛さの中に甘みが加味され、食べていくにつれ昔の味の記憶が蘇ってくるようでした。
加齢による物忘れのわりには、本能的な記憶は忘れないものですね。
(写真はグーグル ストーリートビューから)