東久邇宮国際文化褒章を受賞して
本26日、目黒の八芳園において東久邇宮国際文化褒章を受賞いたしましたので受賞の挨拶を添えてご報告いたします。
200名余の出席者から、とりわけ女性の方々から熱い反響があり、大いに励まされました。
市民社会を勇気付ける日本社会の変化の予兆を実感しております。
記
東久邇宮国際文化褒章を受賞して 元駐スイス大使 村田光平
このたびは東久邇宮国際文化褒章を受章する栄に浴することとなり、数多くの同賞受賞者と連帯で結ばれるに至ったことは無上の喜びです。
世界は天災の激甚化に加えて倫理の欠如に起因する危機に見舞われております。古代ギリシャのプラトンの名言「すべての王様が哲学者にならない限り人類の不幸は無くならない」が想起されます。感性の重要性を説いたチャップリン(「我々が必要としているのは利口さよりも思いやりとやさしさである」)、及び「星の王子様」の著者サン・テグジュペリ(「大事なことは目ではなく心でしか見ることはできない」)はその傍証です。このような視点から最近哲学の教えの三原則を発信しております。
それは1、天地の摂理 2,歴史の法則 3.老子の天網です。
人類と地球を守るのは天地の摂理です。
カーボンニュートラルを理由に、また、ウクライナ危機が招来しているエネルギー不足を理由に原発依存を強める動きが強まりつつありますが、これは邪道です。原子力は本来不道徳・無責任だからです。
不道徳・無責任の永続を許さないのは歴史の法則です。
老子は天網により全ての悪事は発覚し罰せられるとの警句を残しております。
天地の摂理、歴史の法則及び老子の天網は哲学の教えの三原則です。
このような哲学の教えに立脚した情勢判断が益々求められる現下の情勢、とりわけウクライナ危機です。
世界が直面する危機をもたらしているのは倫理の欠如であることが益々明白です。これに対処するために長年に亘り提唱されてきた国連倫理サミットは,地球倫理の確立、力と支配の父性文明から和と連帯の母性文明への転換及び核廃絶という三位一体の目標を掲げております。
母性文明は一万4000年の平和を生んだ縄文文明、日本が世界に誇りうる文明がその源泉です。国連倫理サミットは核廃絶への避けて通れない入り口です。
脱原発も核廃絶もなかなか実現しません。今こそ脱原発は核廃絶実現の前提条件であると新たに位置付け、核廃絶運動と脱原発運動を結合して可視化することが現状打破に不可欠であると確信致します。
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