ワールド・ベースボール・クラシック、日本が三大会ぶりの優勝で閉幕しました。
この間テレビのニュース番組はもちろんバライティ―番組などWBCの話題で持ち切り、その中でも大谷翔平がクローズアップされていました。
朝日新聞デジタルで今年1月から「世界一への物語 侍ジャパンの素顔」という特集が50回にわたって掲載され、ここでも大谷選手の日本ハム入団の経緯や大リーグへの挑戦、栗山監督の経歴、ガルビッシュ、ヌートバー選手の生い立ち、他の代表選手のここに至るエピソードが数多く紹介されていました。
その中で特に目を引いたのが第35回に掲載された
[「貧しくても親が幸せくれた」宮城大弥 子ども基金作った願いを語る]でした。
宮城大弥と云われてもパリーグの試合を滅多に見ない私にはピンときませんでしたが、昨年、一昨年とオリックスをパリーグ制覇に導いた立役者の一人です。
紹介されている生い立ちは、お父さんが若い時の事故で左手が不自由のため安定した収入が得られず、家族4人がアパート6畳間で暮らす貧しい生活。
中学生から始めた硬式野球でも、硬式野球用のグロープが高くて買えず軟式用を修理しながら3年間使い徹した。野球部の遠征費が間に合わなくて監督の先生に立替えてもらったなど色々な苦労があったが、本人はそれを不幸だとは思っていなかった、むしろ幸せだと感じていたそうです。
そして沖縄の興南高校のエースとして1年の夏、2年の夏と甲子園に出場し、2019年のドラフト会議で、オリックスから1位指名を受け、契約金8,000万円、年俸770万円で契約を結び、その契約金のうち約2,000万円を出身小中学校や野球チーム、沖縄県の自治体などへ寄付した。
そして2021年には新人王を獲得、昨年2月に宮城は地元の沖縄でスポーツを続ける子どもたちを支援する目的で「一般社団法人 宮城大弥基金」を設立し、その年のシーズンは、チームを日本一に導く活躍でした。
もちろん、ずば抜けた才能もあったでしょうが、自分の置かれた境遇を前向きにとらえ努力し続ける。そして大成すると自分と同じ境遇に置かれた後輩たちに手を差し伸べる。
弱肉強食の世の中、いやその中でも最も厳しいプロ野球、毎日が勝負の世界でこういった心豊かな若者がいるとは、74才の爺さんも感心しきりです。
因みに、今回のWBCでは、予選リーグのチェコ戦に5回からリリーフで出場し打者16人に対して2被安打、7三振、自責点1、5イニングを投げ切り、セーブポイントが付く好投を見せてくれました。
今年は、ヤクルト・スワローズばかりか、オリックス宮城大弥にも注目していこうかな!
大谷選手と比べてもわかるように身長171Cmと小柄です。