アンラッキー!
ディスクワークに疲れ、書斎の窓から青空が見えます。
「めざせ健康 寺神社巡り」のテストを兼ねてちょっと出かけてくるかと、ひと駅先の文房具店まで
買い物を済ませて外に出ると、あんなに晴れ渡っていた空がどんよりと厚い雲に覆われているではありませんか。 そのうちポツリポツリと雨が、そして遠雷も聞こえ始めました。 まずい、なんて運が悪いんだ、もう30分も遅れてくれればいいのに・・・。
するとコートのポケットからスマホの着信音が 家内が「今、どこにいるの?」 「駅近くまで戻ってきている」 「じゃあ、バスで帰ってきて」 「バスに乗るには戻らなくてはいけない」 「じゃあ、傘を持って迎えに行くわ!」
周りを見ると強風で傘がオチョコになっている人がチラホラ 「風が強くて傘はさせないからいいよ」 「じゃあ、気を付けて帰ってきてね」
何を騒いでいるのかな? 確かに雨は降りだしてきているが、まだずぶ濡れになるほどでもないし、幸い孫を連れてきているわけでもなく・・・。 雨はヒョウが溶けてようの大粒だが、量はさほどでもない。
自宅マンションに近づくにつれ水溜まりが、あちこちに ひょっとして雨雲を避けられてきたのかなと思いながら玄関のドアを開けると、そこには家内がバスタオルと足ふきの雑巾を持って立っているのです。 「なんて大袈裟な」 「バケツをひっくり返したような、凄い雨だったのよ!」 「見てごらん、コートも帽子もさほど濡れていないだろ」 コートの肩は濡れていますが、前側や背中はまだらにシミが付いている程度 家内は狐につままれたような顔をして「お風呂が沸かしてあるから早く入って」 「それは、ありがたい」とさっさと入浴
湯船に漬かりながら、この数十分のできごとを思い返してみると 雨が降り出して アンラッキー! 孫を連れていなくて ラッキー! 雷と大粒の雨に アンラッキー! 家に帰り状況を把握して ラッキー!
人生も同じで、目の前のできごとだけで一喜一憂してしまいがちですが、ここは後期高齢者、冷静に視点を換えるなり先を見越して判断したものです。
風呂から出ると雨はやみ西の空はキレイな夕焼けに染まっていました。
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