ゴルフ好きは知っていると思うけど 12<二人のTOM>
愈々17番Road(466yds)ミドルホールにやってきました。 風が収まり晴れ間も見えてきてホッとしたのも束の間、ティーグランドの前に、高い石壁(壁に大きくOld Course Golf & Country Clubと黄色ぺンキで書かれている)と、壁に隠れるようにホテルの緑色の倉庫と屋根が立ちふさがり、フェアウェイは全く見えません。つまり、このホールはブラインドでホテル越え、OB越えに打っていかなければなりません。<&>の文字の上を超すのが、正解なのですが、スライスすれば即O・B、右を避けて左に逃げればきついROUGHということになります。第二打は縦長のグリーンに向かって、右サイドに運ぶしかパーはとれません。右真っ直ぐでは、道路かその先のO・Bラインへ、左に引っ張れば、グリーン左のポットバンカー、有名なRoad Bunkerに掴まります。ここのグリーンはBunkerに向かって、きつい傾斜があり乗せるだけでは安心できません。 1984年全英オープン最終日、トム・ワトソンとセーべ・バレステロスの優勝争いはこの17番が分岐点になりました。前の組でトムを一打差で追いかけていたセーべが18番でバーディを取ります。その歓声を17番で聴いていたトムは、アイアンを3番から2番に持ち替え、グリーンを狙いますが、ボールはグリーン奥の道路を超え石壁の手前に外します。此処をボギーとしたトムは優勝を逃しました。 全英オープン6勝のトムもOld Courseでは未勝利です。(近年、惜しいところで又優勝を逃しました。トラウマでしょうか?) その6年前1978年、優勝圏内にいた中島常幸は、グリーン右にツーオンしましたが、ファーストパットが傾斜に呑みこまれ、RoadBunkerに落ち、此処で<9>を叩き優勝争いから脱落しました。人々はTommy Bunkerと呼んでこの日本の若者のことを今でも忘れません。私もここに打ち込んで当時の中島選手の気持ちを知りたかったのですが。
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