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鈴木其一 (十一)
朝顔・夕顔図 額装二面 イセ文化基金
朝夕を対照させた其一の標準的な対幅に図版では見えるが、実は横幅は15センチしかない小さな画面である。何か用途があったものと思われるが未詳。小さな葉一枚一枚の微細な描き込み、葉の重なりへの配慮など、密度の高い描写に緊迫感も生まれている。「其一筆」の楷書の署名に、「元長」「庭拍子」の印も印文は同じでも1センチ程度のミニサイズのものである。
四季歌意図巻 四巻 細見美術館
掌にのるほどの小さな巻物四巻に、四季を詠んだ名歌の情景を歌仙の姿とともに表わした作品。古典文学に因む物語絵や歌絵は、宗達以来、琳派の主要なテーマのひとつであった。其一の時代には王政復古の風潮も高まりつつあり、復古大和絵の流行もこうした作品誕生の背景となろう。幕末期の江戸の王朝志向をも示唆している。
住心山 正法寺さんの書棚
トピック日: 2015-07-11
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