【論説】 高校生の非行化に想う [鷺高新聞 第74号より]
このところ未成年者の犯罪が、特に高校生の犯罪が毎日の新聞の大きなネタとなり、クローズーアップされてきている。鷺宮周辺での〝通り魔事件〟も高校生の仕業だなどと言われ、なんとなくいやな気分になった人もいることだろう。人生の中で最も感情の起伏の激しい時期といわれ、大人と子供の中間にある高校生。問題を起こすのは当然だと言ってしまえばそれまでだが、そんな簡単に済むことではない。 それと関係ありそうなことに、我校でも話題となった喫煙(通称〝モク〟)、エスケープがある。喫煙もエスケープも以前は全然なかったという訳でもないだろうが最近とみに目立つということらしく、学校としても生活指導部などを通じて、いろいろと対策を練っている。ふざけ半分でタバコを吸ったり、授業をサボッタリするのだろうが、そんなことはしたところで何の得にもならないし、ことにタバコにいたっては肺ガンのもとになるなどといわれ、結局、自分だけがバカを見ることになるだけである。喫煙だのエスケープなどは結構他の学校でも問題となっているらしく、「OO高校の生徒がタバコを吸っていた」などという話は意外に多い。しかし高校生全部がそんなことをしているわけではないし、一部の人たちの為に高校生が、いや鷺高が悪く見られ、私達が悪く見られるのはかなわない。タバコを吸い、喫茶店に入ることで自分を大人っぼく見せようとか、毎日の単調さから脱けだそうなどと考えているのだったら、今すぐにもそんなつまらない事はやめてしまえと言いたい。 喫煙をして授業ををサボる事がすぐに非行化となるのだとは断言したくはない。しかしそのことが契機となってズルズルと泥沼に入ることは確かだ。長いスカートや短いズボンをはいて〝ふうてんバック〟などという紙袋を持ち歩く〝みゆき族〟なる若者が街中に濫乱し、用もないのに昼聞から喫茶店にたむろし、タバコを吸う、通称〝不良少年〟だと見られる者は年々増加中だと言い、未成年の犯罪は増していくばかりだと言う。 このように非行少年の増加している蔭には、大学進学や就職をひかえ、毎日の高校生活がその為だけに動いているという社会的な問題もあるだろう。現在の高校は大学の予備校だなどと言われ、その為に大学へ行くとか社会へ出るという時の知識は充分だが、それだけの〝規格品〟に終わって個人個人の個性はほとんど伸ばされず、才能が十分に発揮できない。 ここではなにも教育の批判をしようと言うわけではないが、高校生の非行化はこんなところにも原因があるのではないか。しかし結局は本人の自覚以外には解決する方法はないのである。タバコなんかやめたまえ!
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