特集「文化祭」 [鷺高新聞 第79号より]
誇りある文化祭に 西留 正三 今年も例年通りに鷺宮高校の文化祭が行われる。ところが、あまりに毎年毎年学校でばかり行なっているので、それではつまらない飽きてしまった、という声が多かった為、昨年から杉並公会堂を借りて文化祭の一日を過ごすことになった。 更に今年度からは、執行部の仕事であった文化祭と足跡編集が、執行部にそれがあると執行部自身のやりたい事ができないということで、便宜上分けられた。しかしそれはあくまで便宜上で分けられたのであって、決して独立して執行部から分離してしまったわけではない。文化祭も足跡も執行部が携る仕事である事を忘れないで欲しい。 昨年は青木元会長が自身の手で文化祭という大仕事を一生懸命にやって下さった。しかし現在私は文化祭実行委員長がいるために、彼に文化祭については一任している。だが全くノータッチではない生徒会の中の執行部、それを援助し、かつその代役をしていてくれる文化祭実行委員諸氏、各クラブ、或いは生徒会員諸君、それらが一体となって恒例の文化祭は作り上げられ、遂行されるのである。昨年も大変だったと思うが、今年の交化祭実行委員、特に委員長は夏休みも返上し、暑い中を毎日学校に通い、汗を流しながら文化祭という大物に取り組んで頂いた。 諸君が文化祭というものをどう考えているのかそれは知らないが文化祭の〝文化〟とは、鷺宮高等学校の総ての面に於ける文化を示していかものだと思う。毎年各学校から我高校での展示及び催し物を見に多数の生徒が来る。我々としては毎年来て頂いて鷺高の文化の変遷を見守って欲しい気もする。その鷺高の文化を形成するものは、というとそれは諸君である普段のクラブに於ける態度、それが文化祭となって表われて来るのである。それを他校の生徒、或いは先生方また極く少数かも知れないが父兄の方λにも見て頂くわけである。それによって恥づかしく思うのも誇れるように思うのも普段の諸君の態度如何である。今年は、誇りを持って発表できる展示会、或いは催し物となるよう、常に望んでいる次第である。 最後に、文化祭実行委員会の骨折りに対し心から賞賛の拍手を送るとともに諸君に良き文化祭となるよう心から期待して止まない。 (生徒会会長)
楽しんで見よう文化祭 一九六五年度 第五十四回文化祭がいよいよ明後日に去年と同じ杉並公会堂で行われる。今年は文化祭実行委員が新しく出来たおかげでどのような結果が出されるか楽しみである。また、各クラブもすでに準備も整い、あとは文化祭を待つだけであるこで、公会堂で行われるおもなクラブ、SPC、英語、演劇、音楽の四つのクラブにスポットを当ててみた。 夏休みもこの曰の為に暑い中をフーフー言いながら、がんばって練習に励んだ日々。その成果が今発表される。そんなエピソードをはさみながら、文化祭の予告を紹介してみよう。これを読ん、三十日の文化祭には大いに見、聞いて楽しんでほしい。
演 劇 部 演劇部は今度の文化祭で『食欲のない話』という題名の劇を発表する。この劇は今から百年後の世界が舞台で、現在の科学の世の中、科学第一主義の世相を風刺するというのがテーマだそうだ。 今年の夏休みはこの劇の発表のため練習、準備等に大変たったと言うことだが部室に関係するある問題がおこってなお一層苦労したとのこと。 演劇部としては十月下旬から十一月上旬にかけて、コンクールがあるのでそれに参加するために『さっぱ余話』という劇も計画中だという。しかし文化祭までは先に上げた劇『食欲のない話』を全部員が全力をそそぐ方針で、コンクール作品の本格的練習は文化祭後になるという。なかなか大変なスケジュールであるが、それだけにたのもしい。
英 語 部 英語部は今度の文化祭では「白雪姫と七人の小人」という英語劇を行なう。練習は英会話を主として、演技のしかたも研究している。しかし、英語部としては英語部本来の目的である英語の発音、抑揚に注意しながら行ないたいとか。 この英語劇は八月の初めに決定したそうで、劇の準備については衣装の方は去年の文化祭の劇で用いられたものを再び使い、その他の仕事である大道具・小道具を作るのは一二年生の部員二十二人で行ったので大変だったとか、特に男子の数が少4いので。 劇のほか、発表も行う。これはアメリカ、イギリスの年中行事を解説、また生活の習慣、英語の語源なども発表する。その他これらに関する映画をずる予定。
S・P・C クラブになって初めての文化祭を迎え、S・P・Cでは今、最後の追い込みで毎日の練習に余念がない・夏休み中も八月十二日から三十日までの日曜と水曜を除く毎日、平均四時間の練習に励んで、出席率もなかなか良好だったとか。今回ももちろん二年生が主体となっているが、三年生の一部の人も出場することになっている。 杉並公会堂では時間の関係で、四十五分間しか演奏時間がとれず曲の途中に入る解説のこと等も考えると、もう少し時間がほしかったということだ。 いづれにしても文化祭におけるS・P・Cの活躍が注目される。 なお、演奏曲目は「山嶽詩」「美しく青きドナウ」「ドミノ」等シャンソンを含むクラシック十曲である。
音 楽 部 音楽部の夏休み中の活動は、文化祭に行う予定のオペラ「真間の手古奈」の練習で、毎週月曜日と火曜日に行なわれた。初めのうちはあまり出席しなかったが、後半はよかったとのことだ。 この「真間の手古奈」は、音楽の宮本先生の指揮で、ピアノ一人劇を演じる人、十人で構成されている。一幕一場、使用時間四十五分ものオペラを、わが鷺高の音楽部が、やるのだから我々にとって楽しみの一つである。 出演者の人達も、今一生懸命、練習に励んでいる。
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