久しぶりの晴天に浮かれて、鳥海山の滝の小屋まで様子を見に行きました。林道を車で登って行くと、小さな灰褐色のかたまりが道を横切っていきます。あれれ、小さなネズミです。車を停めてカメラを持って飛び出すと、もう見えなくなっていました。再び走りだすと、また横切っていきます。細いしっぽをピンと立てて走っているのがわかります。
路肩に飛び込んで動かなくなったのを確認して、そのあたりを撮影したのが、これです。トリミングの方法で拡大すると、運良く写っていました。わかりにくいかな?本当に小さなネズミです。これってヒメネズミというやつかもしれません。
朝夕散歩する森には、アカネズミらしい小さなネズミがいます。雪が解けると、迷路のようなネズミの道が現れたり、土手に無数の穴があったりします。
ヒメネズミはアカネズミよりさらに小さいネズミだそうです。彼らには気の毒ですが、どちらも、キツネやタヌキ、テン、イタチ、それに猛禽類のフクロウやミミズク、ノスリなどの食糧になって食物連鎖を支えているわけです。
でも、ネズミって夜行性のはずだよなあ。こんなに何匹も、昼間、林道に出てくるのはなぜだ? なにか天変地異の予兆なのか? なんて心配しましたが、今のところなにもなかったようです。
途中、鶴間池への入り口を少し入って、ブナ林の林床をチェック。去年、雪解け直後にギンリョウソウがたくさんあるのを見つけた場所です。でもちょっと遅かった! 見つけたギンリョウソウは腐れかかっていました。少しましなのがこれです。ギンリョウソウはまるで青い瞳の幽霊です。
滝の小屋までのブナ林では、裏翅の美しい蝶に遭遇。先日、大山で見つけたサト・キマダラヒカゲに似ています。帰って図鑑をチェックすると、これはヤマキマダラヒカゲらしい。下翅の付け根付近にある3つの眼状紋(目玉模様)が、サトキマダラでは1列に並ぶが、ヤマキマダラはクの字に曲がるのだとか。確かに。
帰り道、大台野の牧野まで降りてくると、電柱の上に見慣れた鳥の姿。近所の森でも営巣しているノスリです。彼らの猟場は、開けた野原や田園で、高いところからネズミやモグラなどの獲物が現れるのを待っている姿をよく見かけます。ホバリングも得意です。
でもこのノスリ、甘ったれた声で「ピーッ」と鳴いています。まだヒナなのですね。自分では狩りができなくて「腹減ったよ、母ちゃーん」と言っているのでしょう。
ニッコウキスゲ
滝の小屋
オヤマノエンドウ