森に甘い香りが漂う季節です。発生源は主に二つ。一つは、下草刈りが始まったためで、借り倒された草が乾燥するときに、アロマ成分が揮発するのでしょうか、得も言われぬ芳香が出るらしいのです。
欧米の小説などに登場する「干し草の香り」というのを、ずっと誤解していました。あれは稲ワラや麦ワラ、それも馬房や牛小屋の敷きワラが発するアンモニア臭などを想像していたのです。
そうではなく、甘い芳香なのです。お届けできないのがとても残念。
もう一つは、森の低木の主役であるムラサキシキブが一斉に花を咲かせたためです。
ムラサキシキブの花
珍しい白いムラサキシキブ
ムラサキシキブはやがて紫色の実になり、秋の森をいろどるはずなのですが……。残念なことに、貧弱な実りで終わります。鳥たちが食べてしまうのか、そもそも受粉を助けるハチたちが激減したためか。
北国ではこれからが紫陽花のシーズン。やはり雨が似合います。

梅雨の花といえば、ネムノキや、去年発見したオオバボダイジュもまもなく咲くはずです。ボダイジュの木では、すでにハチの喜びの歌が聞こえたこともあるので、地上からは見えない梢では咲き始めているのかもしれません。
なんと、気の早いハギまで咲き始めました。

そうそう、森に隣り合った高校のソフト専用のグラウンドでは、カラスのギャング団がじゃぶじゃぶ池を楽しんでいます。先日はカワラヒワが集まって水浴びをしていました。
雨上がりのグラウンド