夕方の散歩の帰り道。多動だけど歳のせいで、長く歩くとあちこち痛みを訴える迷犬ハッチに合わせて、森までは車でいくわけですが(あくまでも犬の都合です。念のため)、駐車場所のすぐ近くで目の前を茶色の鳥が横切りました。
地面すれすれに飛んでいく姿はまぎれもなくノスリ。野を摺るように飛ぶから「野摺り」なんだとか。
そのへんにとまったのではないかと探すと、期待通り木の枝にとまって地面を見下ろしていました。ハッチをビスケットでだましながら近づいていき、激写。
ちょっと疲れた背中。
ふりむいてくれました。
地上の獲物を探して。
あ、まばたきしちゃった。
このあたりで見かけるノスリは、散歩道の近くに巣があります。数年前まではよく見える場所だったのですが、今は引っ越してしまいました。それでもヒナの声はよく聞こえます。今年もおそらく数羽のヒナが育ち、今は巣立って巣の近くでピーピーと餌をねだっています。
8月には子どもたちは独立し、親子とも森から姿を消してしまいます。
ノスリが狩りをするのは、草原や田畑などの平地が多く、電柱の上などで獲物が現れるのを待っています。そんな姿を後ろから見ると、背中に疲労感がただよっているように見えて、妙な共感を覚えます。
適当な見張り場所がないときは、上空でホバリングしながら見張っていることもあります。褐色の姿はしばしばトビと見間違えます。獲物はネズミやモグラ、蛇などの地上の小動物です。
猛禽類の多くは松の木に巣を作ります。食べ残しが腐るのを防ぐため、松の葉の防腐効果を利用するのだそうです。このノスリの巣も、庄内平野を見下ろす砂丘の松林にあるというわけです。
そういうわけで、毎年同じカップルが同じ巣で子育てをしているのなら、この日会ったノスリは、昔なじみのノスリということになります。