森の中を突進し、藪には律儀に顔をつっこむうちのハッチくん(ビーグル、推定12歳?)は、ヒッツキムシたちの戦略にまんまとひっかかってしまっています。イノコヅチやヤブタバコ、なんとミズヒキソウの実までくっついてきます。おまけにツユクサの花にまで染まって、歌舞伎の悪役のようになることも。
子どものころ、原っぱでオナモミの実を集め、ポケットに入れて登校し、友だちや気になる女の子に投げつけたものですね。悪質な奴は、人の頭にくっつけてから髪をクシャクシャにしてしまう。こうするとなかなかとれず、最悪、髪を切らなければならない。
でも、焼け跡の原っぱにはヌスビトハギはなかったなあ。教科書には載っていたけれど。
酒田に来て、初めて見ました。それがこれ。
拡大すると。
朝日に透かすと、血管のように見えます。なかなかきれいでしょ?
表面にマジックテープのような毛があるのか、ワッペンのように貼りついてきます。花は萩に似たピンクの花です。それしにても、ヌスビトとは失礼な名前ですよね。くっついても簡単に取れるので、たとえばアメリカセンダングサのように悪質ではないし、言葉が話せれば、どこが泥棒だよと抗議するんじゃないかな?
きれいといえば、イノコヅチ。毎年言っているような気がしますが、あれが紅葉すると、他の葉では見られないような青みを帯びた深い赤になります。暖かい地方では見られないかもしれませんが。
ヒッツキムシの話ではないけれど、思い出したことがあります。荒れ地に生えるチカラシバという草がありますね。ネコジャラシを大きくしたような穂が出てくるので、抜こうと思って引っぱっても絶対抜けない。あの草を2つの束にして、結んでしまうのです。何箇所か結んでおいてから、みんなを鬼ごっこに誘う。そして、鬼をそこに誘導すると、鬼は見事に足をとられてすってんころりん。
今なら大事になって、訴えられますね。