10月10日、天気予報は庄内地方、曇り。テレビのデータボタンの予報は、昼ごろ晴れ間が見えるけれど。
休日は混むので避けたいところだが、日程の都合でこの日しかないと、鳥海山へ紅葉狩りに。先日と同じ鉾立からのコースで、やはり賽の河原まで。
この日は気圧配置が西高東低の冬型。灰色の雲が垂れ込めた日本海側の冬の空だ。標高1000Mの駐車場にもすき間が多く、紅葉も色が冴えない。
しかし、紅葉そのものは最盛期といってよさそうだ。気温も、登山には寒いくらいがよい。
今回は前回より少し先に進む。といってメインルートをはずれ、地元の人しか使わないルート。8合目鳥海湖をめぐるコースの途中まで行ってみたのだ。連れ合いのリハビリを兼ね、一歩ずつ距離をのばしている。7月いっぱいくらいは雪渓におおわれるルートで、雪が消えると、地元山岳会が残している赤いビニールのリボンが目印だ。
雲が晴れてきた。放送された予報より、データボタンの予報が当たった形だ。それにしても、同じ局がなぜ二つの異なる予報を流すのか、情報が複数あるのはいいことではあるけれど、局側の説明がほしいものだ。
道は、大平から登る登山道に合流し、岩を割って敷き詰めた石畳の道になる。登れば鳥海湖をめぐるカルデラの尾根に出るのだが、今回は少し下ってみた。河原宿という標識の立つところでふりかえると、カルデラの尾根の向こうに山頂がのぞいていた。なんと新雪が積もっている。今年の初雪、ふもとから観測できれば初冠雪ということになる。
賽の河原にもどって昼食。登ってきた中高年カップルに挨拶すると、「日本語わからない」とのこと。「Where you from?」と聞くと「タイワン」。お互い、つたない英語でやりとりするが、鳥海湖まで行くのだという。このごろ海外からの登山客も増えてきたのは、ありがたいことではある。
それから次々にカップルが登ってくる。大きな中国語が聞こえてくる。団体のツアー客なのだろうか。それにしては、リーダーが見当たらないのはなんとしたことだろう。もっとも、この人たちはリーダーに従いそうもないように見えるけど。
帰り道は秋雲の浮かぶ青空になった。晴れれば頂上が見えるポイントがいくつかあったはずだ。振り返ると、太陽の光で鮮やかな紅葉の向こうに、雪化粧の山頂が見えた。
山岳道路の鳥海ブルーライン。バイク野郎のおじさんたちが見える。庄内の海岸は白く縁どられている。大きな並が打ち寄せているらしい。
手前はチョウカイアザミ。鳥海山の名を持つ2種類の植物の一つ。