東京はまだ蒸し暑い日が多いそうですね。酒田は10月19日の朝6時、車の示す外気温が10℃でした。これは冬、学校でストーブを焚くかどうかの基準の温度です。風はなく酒田では珍しい濃霧が立ち込めていました。晴れて風がないということで、放射冷却の結果なのでしょう。
霧が晴れると雲一つない快晴。そして雲のない青空は終日続きました。朝、雲がない日があっても、昼間は雲が浮かぶのがこちらでは普通。関東の冬のような快晴は1年に一度あるかどうか。
というわけで、今年の見納めの紅葉狩りに鳥海山へ。南面を滝の小屋まで登る林道をドライブです。
まず山麓の大台野からの眺め。
奥のほうに見える紫色は、黄葉が終わったブナの森です。黄色から赤茶色に変わった葉が、遠くで見ると、太陽光の乱反射による青い色のベールがかかって紫に見えるようなのです。
黄色くなった樺の木。このあたりに白樺はないはずなので、ダケカンバと思われます。
のぞき(地名)から見下ろす鶴間池。
取り巻く木々はブナの大樹海です。
のぞきの駐車スペースは例によって、数人のイヌワシウォッチャーに占拠されていました。上昇気流に乗って、ワシが舞い上がるのを待っているようです。彼らをイーグルウォッチャーと呼んでいましたが、いつもイライラさせられるので、これからはワシラッチと呼ぶことにします。学術や保護目的でもなく(推測ですが)ワシの私生活を覗き、しかも他の人にも迷惑なパパラッチじゃないかという意味で。「のぞき」というのは鶴間池が見えるからであって、ワシをのぞく所という意味じゃないぜ。
ちょっとだけブナ林に入ってみました。このあたりは黄葉のピークです。もちろん熊ベルをガラガラ鳴らして。
去年は拾ってビールのつまみにしたブナの実も、今年は全く落ちていませんでした。里に降りてくる熊も命がけです。
紅葉は天気次第で美しくも醜くも見えるものです。この日は本当に快晴で美しく見えました。写真では正しく伝えきれないかもしれません。
南の方角には月山が墨絵のように見えます。谷間に霧がたまっているのがわかります。おそらく最上峡でしょう。先日は、最上峡の霧が山の尾根を越えて下がっている姿を見ました。微速度カメラで撮れば、滝のように雪崩落ちる雲の滝が見えるのでしょう。晴れたと思った庄内平野にもうっすらと霧が残っているようでした。