天使の歌声についての考察?
ある日の午後、帰宅してすぐにラジオをつけると、ゲスト出演していた佐藤悦子さんという人の子守唄が流れていました。話し声はややハスキーなのに、歌声は澄んでいてまさに天使の歌声。 それで「天使の歌声」ってどんな声なのかと考えてみたのです。 たとえばウィーン少年合唱団が天使の歌声と賞賛されますよね。ぼくが子どものころ所属していた東京少年合唱隊もそう言われることがありました。 佐藤悦子さんも少女合唱団にいたそうです。 子どもの声が「天使の声」なのか?いや、今の佐藤悦子さんは大人のようだし、世界に「天使の声」と形容される大人の歌手もいます。
わかりました。「天使声」というのは澄んだファルセットであることと、ビブラートがないことです。少年(少女)合唱団の声は基本的にビブラートしません。しかし、変声期がないのをいいことに、少し大きくなった女の子がおおぜい残っていると、声の質がまるでちがってしまいます。地声がまじってくるのと、自然なビブラートがかかるからでしょうか。
話が変わりますが、昔、立川清登が出演していたテレビ番組に二期会合唱団も出ていたのですが、ぼくはこの合唱団をうまいとは思わなかったのです。彼らはオペラのアリアも歌ったりして、技術も一流なのでしょう。でも、コーラスとしてはハモらない。オペラ歌手として積んだ訓練が、合唱では邪魔になっているように思えました。なにより個々の声がそれぞれビブラートしている。その揺れ幅が互いにシンクロしないで雑音になっているということなのかな? 厳しい合唱団では、まずビブラートをしない訓練をするのだと聞いたことがあります。これは大人にはむずかしい。子どもは自然にビブラートのない声が出せるのに、大人になると勝手にビブラートしてしまうのです。これを抑えるには腹筋の力を借りなければなりません。 ぼくたちの合唱団も、ビブラートが問題だなあと密かに思っています。年とともに声のゆらぎが大きくなっているし、ここは東北、民謡の王国です。フォルテッシモさんなんて冷やかされるほど大きな声を張り上げる人がいるのに、ピアニッシモができない。 ビブラートを抑えるのも、音程を下げようとする重力に逆らうのも、すべて腹筋なのだなあと実感する今日このごろ。 老人の合唱団でも「天使の声」が出せたなら。じいさまたちよ、腹筋を鍛えようぜ!
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