練習熱心すぎて……
今朝六時の外気温は、車載温度計で-3℃。たぶん今季最低ですが、予報が-5℃だったので、得したような残念なような。晴れて放射冷却による冷え込みなので風がなく、寒いという実感もあまりない朝でした。でも散歩が終わるころには、指先が冷えきって痛いほどでした。 先週、鶴岡の男声合唱団のKさんが亡くなりました。83歳でした。トップテノールで、欠席が多くて、特にトップが集まらず「今日はトップレスかい?」なんてジョークにもならない嫌味を言われるような日にも、Kさんだけは必ず出席すしている、そんな人でした。 そのKさんが珍しく欠席。体調が悪くて診察に言ったら検査入院したということでしたが、そのまま心不全で亡くなったのです。 ところで、合唱団には指揮者を含めてピアノが弾ける人がいないので、Cさんという女性に伴奏と練習の音取りを頼んでいます。そのCさんは、Kさんが亡くなった当夜、団員からの連絡電話をもらって不思議に思ったそうです。 「昨日、車ですれ違ったっけよ。お元気な様子だったのにの。」と言うのです。実家の櫛引付近で会い、先方は会釈したので間違いないということでした。 しかし、Kさん本人は当日はすでに意識がなく、ベッドで点滴を受けていたというのです。 「そりゃ、幽霊だぞ。」 「いやいや、本人はまだ生きてたわけでしょ?」 Kさんは、病室にも楽譜を持ち込んで熱心に曲をさらっていたそうです。7月には全国男声合唱団連盟のジョイントコンサートが八戸市であるというので、合同演奏のケルビーニの「レクイエム」に取り組んでいました。 Kさんは、練習でもよく「ここがわからないからピアノで弾いてみてください」というようなことをCさんに頼むことが多かったので、病室でも気になって気になって、魂が抜けだして行ったのではないだろうかということになりました。いわゆる「生霊」です。
こんな話が怪談としてでなく、普通のできごととして語られるのが、「東北地方」という風土です。
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