突然ですが、源頼朝の源氏が、富士川をはさんで平家と対峙したとき、水鳥が飛び立つ音に怯えた平家が逃げ去ったというエピソードは、おごる平家の無能ぶりを象徴する話となっています。
でも、水鳥が飛び立つ音とは、本当にすさまじいものです。
すでに雁や白鳥の姿はなくなりましたが、池にはまだ多数のカモ類が残っています。
遊佐の白井新田にある宮山坂のため池にも、マガモやコガモがいました。それが、私たちのわずかな動きにも一斉に飛び立つのですが、その音のすごいこと!
頼りない水面から飛び立つのだから、翼の力が相当大きいのでしょうか。これなら敵が攻めてきたと思っても無理はない。平家の味方をするつもりはありませんが、そう思います。
鶴岡市の大山上池にもカモたちが残っていました。マガモは豪快な高笑い。「ガーッハッハッハ」と聞こえる大声です。とりわけ警戒心が強くなかなか近寄れないコガモが、近くで眠っていて、ふと目を覚ましました。これがその寝ぼけた顔。雄です。
ピリッピリッとホイッスルのような声で鳴きます。
ザゼンソウを見たいと思って、早めに行動開始し、ミズバショウがあるあたりなら見つかるかと思ったのですが、結果は空振り。ミズバショウは少しだけ白い花(正確には苞というそうですが)が見えてきていました。
ここからは大山上池の報告です。上池も下池も、同じ山地から出た水をためているのですが、上池側が南向きのため、春の花が真っ先に咲くのです。さすがに少し早いと思ったのですが、キクザキイチゲやカタクリ、オオミスミソウ(山形では雪割草とも呼ばれます。)に出会うことができました。
キクザキイチゲ
キクザキイチゲ
カタクリ
オオミスミソウ
ニホンミツバチ?
ミスミソウは花の色や形に変異が出やすく、高値で取引されるらしいのです。そのため、大山上池・下池付近では、オオミスミソウの盗掘が後を絶たず、ボランティアや市の職員によるパトロールが始まります。リュックを背負っているというだけで、監視員に疑惑の眼差しを向けられるのは本当にいやな気分です。その怒りを100%盗掘者に向けたい思いです。
カタクリが満開になるころ、杉林の下には薄紅色のイワウチワも咲き出すはずです。そして、春の女神ともいわれるギフチョウが飛び始めるでしょう。