一日かけて脳左側に溜まった血を抜き取り、CTスキャンで脳の位置が正常に戻っていることを確認し、昨日埋め込んだドレーン(チューブ)を抜き取り、傷口をホッチキスで留め、無事に一連の処置が終了しました。
昨日の手術時に50㏄その後一日かけて150㏄、よくもこんなに血が溜まっていたものだと感心しきり。その後、手・足・言語それぞれのリハビリ検査でも支障が見られず、これなら早い退院もできるかと期待してしまいます。
今いる2階の病室の目の前は4mほどの絶壁、病状回復の兆しが見えてきた途端、その上に何があるか、きっとユートピアが広がっているような気がして、探索に出かけることにしました。エレベーターに乗り最上階の6階だと特別室でもあると面倒かと5階をタッチ。エレベーターを降りると運よく中扉から出てくる人がおり、すれ違いで素早く入室、目指す西側へ回り込もうと左へ曲がった時、後ろから
「どちらへ行かれます」
と女性の声。一瞬なんて答えたらと、たじろぎましたが、嘘を言っても始まらないと
「この階からの眺望を見に来ました・・・」
「この階は、婦人科病棟ですけど」
「あっ 失礼しました」
「2階に入院しているのですが、景色が見れず・・・」
引き返そうとすると、その女性事務員
「ご案内しますよ どうぞこちらに」
通されたのは待合室。ミカン畑が連なりその先は牧場か
「ミカンの花が咲く頃は大変きれいなんですよ」
「思った通りのユートピアだ ありがとうございました」
「それにしてもカードなしで、よく入れましたね」
「はぁ・・・」
「2階にも景色のいいレストランがありますのよ。 ぜひご利用ください」
「今度、行ってみます」
やっと来たエレベーターに乗り込み、そそくさと退散。
それにしても浮かれすぎかな?
ベンケーシー