この季節になると、友人、知り合いから山菜をいただくことが多くなります。先日いただいたシドケ(モミジガサ)を洗っていたら、葉の先に鳶色の小さな虫がしがみついていました。ダニかと思って見ると、オトシブミでした。
室内にミニ三脚をセットし、接写レンズをつけて撮ったのですが、いまいち不鮮明。そうこうしているうちに虫が行方不明になりました。
でも、この写真でおおかたの姿形はわかると思います。
一見ゾウムシのようにも見えますが、長いのはいわゆる口(吻)ではなく首です。頭とは思えない小さく細長い頭が先端にあります。
たとえば、エゴノキの葉が真ん中から途中まで切れていて、先の部分が巻かれてぶら下がっていたり、森の小径に巻かれた緑の葉が落ちていたり。この巻かれた葉が昔の「落とし文」のようで、それを作る昆虫もオトシブミもそう名づけられたものです。この巻かれた葉は、幼虫のためのゆりかごです。
子どものころ読んだファーブル昆虫記の、ゾウムシの後にオトシブミとチョッキリの項目があって興味があったのですが、なかなか会えないでいました。たまに見つけても小さすぎて近づき過ぎると、甲虫の保身の術である死んだふり作戦によって手足を縮め、ストンと落下して見えなくなる。そんなわけで、この写真がぼくの初めてのオトシブミの写真です。(種類についてはわかりません。)
散歩コースの森(万里の松原と呼ばれています。)は今、桜吹雪です。太い松の幹をバックにして、白やピンクの数種類の山桜が一面に咲いていたのですが、ついに終わりになりました。
草丈数センチのチゴユリ、黒い花びらのアケビの花、ニワトコの花を紹介します。
ちなみに、宝塚でおなじみの「スミレの花咲くころ」の元歌はフランスの「リラの白い花が咲くころ」、その元歌はドイツの「ニワトコの白い花が咲くころ」だそうです。
マムシグサも花を咲かせました。花びらに見えるのは、ミズバショウと同じ仏炎苞ですが、モダンなストライプです。
ツツジとアケビのつる。草月流かな?