アオゲラの巣にさしかかったら、騒然とした雰囲気。バタバタと数羽の鳥が飛び回っています。どうやらムクドリが、巣穴に近づこうとしている。それをアオゲラが阻止しようと闘っているのでした。その攻防がしばらく続き、ようやく撃退してほっとしているのがこの写真です。
　はまだひろすけの童話だったかな、「ムクドリの夢」というのがあったと記憶します。内容は覚えていないのですが、表紙が、ムクドリの親子が木のうろのような穴から顔を出している絵でした。
　あの絵がどれほどリアルなものかはわかりませんが、ムクドリが木の穴に巣を作ることがあるとすれば、それはキツツキの巣穴を乗っ取るしかありません。
　キツツキの天敵は、卵や雛を襲うヘビや、雛が巣立つ瞬間を狙うカラスばかりでなく、巣穴を乗っ取るムクドリまでいるわけで、これでは気が休まるはずがない。
　ここをひんぱんに通る人間（時には部活でランニングする高校生の集団も）なんか、慣れてしまえば危害を加えないことがわかってきます。そして人間が通るところなら、真の敵の脅威は少しは減らせるということなのでしょう。

　ちょっと心配なのは、今のところ巣穴からは何の声も聞こえてこず、動きもないということです。きっと中にアオゲラの妻がいて、卵を温めているはずだと思うのですが。