5月29日は庄内地方も快晴。山の虫(どんな虫?)が疼いて、鳥海山を下見しておこうということに。7月に横浜からのグループを案内することになっているので。
例年は、山開きの7月初めごろでもかなり残雪があるのですが、散歩で顔見知りの人から、今年は意外に雪がないという情報を得たのです。
鳥海山で最もポピュラーなルートは、鳥海ブルーラインの鉾立(ほこだて)から尾根伝いに鳥海湖がある8合目の御浜(おはま)を経て一旦下り、外輪山にとりついて登頂するコースです。鳥海山はおおざっぱに言うと、御浜がある山と、山頂がある山の2つの山でできています。鉾立コースだと、せっかく登った御浜から下り、さらに高く険しい山頂に登ることになるのです。私たちとしては、山頂には今まで3~4回行ったのでもう思い残すことはなく、今では御浜付近が私たちの鳥海山だと勝手に決めています。本当の山頂(新山といいます)付近は、火山灰やガスの影響か植物相も乏しく、何度も行きたくなるところでもないので。それに反して、御浜付近は夏は豊かなお花畑になります。
登り始めると、なるほど雪は例年の7月初めほどしか残っていないようです。振り返ってみると、鉾立は天空の駐車場。標高1,100Mくらいかな?すでに樹木限界より高いので、コースには日陰になるところがありません。夏のような強い陽射しのなかに、早春の花が咲いています。雪の残る草原のあちこちウグイスのヨーデルとカッコウの声。(もっともカッコウは托卵するためにウグイスの巣が留守になるのを狙っているのでしょうが。)
スキーやボードで滑るために、わざわざ遠方からやってくる人もいるらしく、残雪を登っている人の姿も見えます。
結局、コース途中の賽の河原までたどり着かないうちに、残雪に阻まれ、今回はここまで。何回か下見を重ねて本番に備えるつもりです。(住まいの酒田から車で日帰りできることに本当に感謝。)
天空の駐車場:鉾立
鉾立の展望台より
シラネアオイ
オオバキスミレ
タムシバ
ヤハズカミキリ
ヒオドシチョウ
ヒオドシチョウの顔
ヒオドシチョウがぼろぼろなのは、冬眠明けだからでしょうか。
スキーヤー
追伸:タムシバなんてだれが命名したのかな?マグノリア属のこの花はよい香りがするというのですが、嗅いでみてもわかりませんせした。なあんだとがっかりしたのですが、帰り道、近くを通るとかすかにそこはかとない香りを感じました。奥ゆかしい花なのでしょうかね。
ブルーラインを車で走っていると、ハルゼミが鳴いていました。エゾハルゼミです。姿は見えなかったのですが。セミと知らなければわからない静かな声ですが、晴れているときだけ集団で鳴きます。ケケケケというような声に、ミョーというような声が混ざります。1匹分の声は「ミョーーキン、ミョーーキン、ミョーキン、ケケケケ」とくりかえすのですが、集団になると前述のようになるのです。今だけの季節限定の風物詩、晴れた日にブナ林のあるところに行ってみることをお勧めします。