散歩に行く森の近況です。
ある場所だけ、タツナミソウが自生しています。下草刈りのあとの日当たりの良い林床です。
ホオノキ、アカシアも花を咲かせました。
アカシアにはハチが集まってきて羽音の歌が聞こえます。クマンバチとニホンミツバチです。セイヨウミツバチはやはり見当たりません。
ところで、市内ではこんな花を目にします。小さな草で、市民は見慣れていて気にしないのですが、外来の私たちには見慣れない花です。
調べてみると、マンテマという名の帰化した海浜の植物とのこと。ナデシコ科の特徴がわかります。でも、マンテマという名の由来は何でしょうか。
クルミ(オニグルミ)の雌花を見つけました。
根本のふくらみがクルミの実になります。上を向いているこの枝が、やがて実の重みで垂れ下がります。この実はカシグルミ(お菓子の材料などで売っているクルミ)と違って、とても硬いのです。自然界ではネズミはかじって穴を開け、リスはきれいに二つに割ることができます。しかし、カラス(ハシボソガラス)は自力で割れないので、工夫をするわけですね。ある者は高いところから落とし、ある者は車に轢かせます。地中から掘り出して路上に放置し、リスに見つけさせて、リスが割ったところを脅かして横取りするという手の込んだ方法を使うカラスもいるのではないかと、ぼくは睨んでいます。というのも、森に来るカラスのギャング団(成鳥になる前の若者で構成される集団)が、森で腐葉土をほじくって虫などを掘り出すことに熱中しているのですが、クルミはどうしていいかわからずに放置しています。ところがそのクルミをリスが見つけて食べるらしいのです。リスにしか割れないクルミの殻が残されています。ところが、中身が残ったままの殻があるのです。リスが途中で逃げていったとしか思えません。
小鳥の巣に狙いをつけて、ヒナが巣立つ瞬間に捕らえて食べるというカラスですから、リスがクルミを割った瞬間に横取りすることだってあり得るのではないでしょうか。
ところが最近、こんなものを目にします。
クルミの苗です。引っこ抜かれています。これは、例のカラスのギャング団のしわざです。最初は腐葉土をあさっていて偶然抜いてしまったのでしょう。しかし、根本にはクルミの実がついていて、しかも割れています。(ほんとうはクルミが殻を割って発芽したわけなのですが。)これなら何の苦労もなくクルミが味わえるというわけです。このカラス集団は、しばらくのあいだ、クルミの苗の盗掘を繰り返しそうです。