ここ数日、西高東低の気圧配置に寒気も入ってきて、冬のような天気が続きました。つまり東京はさわやかに晴れ、日本海側は冷たい雨の天気。
昨日の庄内は久しぶりの快晴でした。そこで鳥海山八幡口のチェックを口実に出かけてみました。
ねらいは雪解け直後のブナ林のギンリョウソウだったのですが、残念、ギンリョウソウには出会えませんでした。(色素のない純白の花だけを地上に出す寄生性の植物です。名前の由来は銀の竜だとか。)
林道(鳥海公園青沢線というそうです)にはたくさんの車が乗り捨ててあります。これは山菜を採りに来た人の車です。たぶんタケノコが目当てなのでしょう。東北ではネマガリダケと呼ぶチシマザサのタケノコで、家庭用というより、商品として売るために採集する人が多いのです。
林道を車で登って行くと、鶴間池を見下ろせる「のぞき」という地点の手前で雪に阻まれした。スノータイヤなら突破できるかもしれないのですが、すでに夏タイヤ。諦めて「のぞき」まで徒歩1分(!) ここは視界が開けていて、イヌワシの観察には都合がよいらしく、この日も2人のワシラッチ(ワシのパパラッチという造語)が来ていました。以前はイーグルウォッチャーと呼んでいましたが、あまりに傍若無人なふるまいをする人がいるので、ぼくの中で評価を下げたのです。なにしろ、ひがな一日、望遠鏡でひたすらワシが現れるのを待っているだけなのですから。人の生き方や趣味にとやかくいうつもりはないのですが、かなりの広さを占拠するので、他の人が車を駐められないというのが困るのです。この日は彼らも、雪の手前に車を乗り捨てていましたが。
私たちは、車に戻り、日当たりのよいところに降りて車内で昼食。たけのこを数本だけ採集して帰りました。
麓で出会ったサカハチョウです。小さなチョウですが、模様が美しいチョウです。表と裏が全く違う模様で、ぼくは裏側が特に美しいと思っています。表側も夏型と春型が違うそうで、これは春型です。(夏型は、黒字に白い斑紋があり、その斑紋が『ハ』という文字を逆さにしたように見えるので、サカハチョウという名になったのだとか。)春型ではわかりにくいのですが、白いハの字はあります。白く見える部分がそれです。
サカハチョウ……裏……
サカハチョウ……表……

大台野では、道の両側をピンクのタニウツギと、野生化したカラシナの黄色い花が縁取っていました。ここから見ると、鳥海山の外輪山には新雪が降ったようです。白く見えるのは残雪ですが、灰色に見えるのがたぶん新雪です。
