やはり音楽はみんなでやると楽しい!
おやじバンド「沈丁花」は、去年に引き続き、明後日、リーダーが副会長をしている某町内会の夏祭りでプレーすることになっています。しかし去年と違うのは、リードギターが諸般の事情で抜けてしまったことです。彼のエレキがあったから、グループサウンズなんかをいやらしくプレーできたのに。 そこで、多少の路線変更を加え、グループサウンズにこだわらないことや、コーラスを入れるなどして特徴を出そうということになりました。つまり外国のポップスやら往年のフォークソングやら、やってみたい曲を持ち寄って試してみようということです。 ボーカル専門だったぼくもギターを持って、できるところは演奏にも加わることにしました。 すでにオフショップで、エレアコ(昔の電気ギター、生でも音が出ます)を入手。ぼくのギター歴は、高校時代にクラシックをやろうとして挫折。その後、フォークブームに乗って、自分が歌う伴奏ぐらいはできるようになりたいとコードを覚え、簡単なアルペジオで弾き始めました。アパートに遊びに来る中学生に手ほどきしたら、めきめきうまくなった子がいて、やがて彼はラジオから流れる世界のアーティストをコピーできるほどになり、逆にぼくが教えを請うようになったほどです。 ある職場では、同僚の夫がクラシックのギタリストで、彼らと交流しながら刺激されて少しクラシックに戻ったり……。そんなわけで、うまくはないけれどけっこう弾いていた時代はあったのですが、その後は仕事に忙殺されるようになって、ギターから遠ざかって今日に至ったわけです。 そんなわけで、弾けるかどうか自信がなかったのですが、意外にもけっこう覚えていました。バンドでは70代の1人がサイドギター担当なのですが、彼は左ギター、しかも松崎しげるのように右用に弦を張ったまま左で弾くという特技の持ち主。それはつまり、ストローク奏法はできるけれど、アルペジオなどは我々とは違う方法で弾くのだろうと思います。(見ていてもよくわからないので。)それはまた、弾き方について細かい注文が出しにくいということにもなります。できることとできないことが想像できないので。) ぼくは左利きだけど、普通に右で弾いています。不自由はありません。だってその場合、弦を弾く右手よりも、フレットを抑える左手の方が難しいのですから。 せっかくギターが複数あるのなら、それぞれ違うことをやった方がいいと思って、彼が弾くのを見ながら、カポを使ってハイポジションにしてアルペジオを入れたり、昔覚えたスリーフィンガー(PPMなどが用いる奏法)やカーター・ファミリー(カントリーやブルーグラスの奏法)といった奏法を採り入れたりしています。 本番が近づいた昨夜は、普段は参加していない若い世代、リーダーの息子や娘、そしてその友人がベース、キーボード、ドラムスで練習に加わりました。すると、それまでとは全く違う音になりました。 娘さんは本来クラシックピアノで音大を出た人ですが、ポップスやジャズもできます。昨日はほとんど初見の曲も多かったと想うのですがアドリブで演奏。 60年代の「トム・ドゥーリー」や、ジョン・デンバーの「カントリーロード」などは、そして山本コータローの「岬めぐり」などは、若い世代には新鮮なようでした。 「岬めぐり」なんて、フォークソングがメッセージソングから四畳半ソングに堕していく途上の曲だなんて思っていたのに、みんなでやると意外に面白く、若手のアドリブが加わるともはやジャムセッションです。前奏や間奏には、本当はマネージャーである連れ合いがリコーダーを吹きます。演奏が終わると全員から拍手がわきました。でも、この曲になくてはならないスリーフィンガーはぼくの役目。乗るほどにどんどん速くなるし、もう腱鞘炎になりそう! でも、一人の弾き語りもいいけれど、やはり音楽はみんなでやるのが楽しいと実感した瞬間でした。
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