天気予報では東北の日本海側は雨と雲のマークです。でも現実には青空に積雲が浮かんでいます。積雲とは要するに縦に発達した雲で、茶柱のように空中を立ち泳ぎするように浮かんでいるわけです。大陸から吹いてくる寒気が、日本海の暖流に触れて水蒸気を発生させて渦になり、それがミニサイズの低気圧を作る。それがこの雲の正体で、近づいてくると強い風が吹いてにわか雨が降ってくる。この雨が時雨(しぐれ)です。本当は秋から冬の初めにかけて見られるのですが、今日はそんな時雨模様です。
こんなときの天気は、それこそ分単位で変わります。見る方向によっても、北を見た人は「晴れだ」と言い、南を見た人は「どんより曇っている」などと言う。車に傘を置いたまま買い物をすると、車に戻るころには土砂降りで戻れないなんていうことが普通にあります。
このごろ、台風や強風で、森には木の葉や枝がちぎれて落ちています。オオバボダイジュの枝には、小さな実がついていました。地上からは見えないのですが、7月ごろ樹冠で星砂のような花が咲き、ミツバチを呼び寄せるのですが、その花が実を結んだものでしょう。
好奇心に負けて調べてみると、中にビーズのような琥珀色の種が、1つの実につき2~3個入っていました。

これはオオバボダイジュという、葉が桑の葉ほどの大きさの木ですが、普通のボダイジュ、つまりシナノキもきっとこんな種なのでしょうか。
70年代にはヒッピー文化の影響もあり、表参道あたりに世界の民芸品を売るバザールなんてりうものが出ていましたね。商品の定番のひとつが「菩提樹の実」を使った念珠やネックレスでした。あの菩提樹の実は、こんな姿ではなく、もっとトゲトゲしていた記憶があります。あれはクワ科のインドボダイジュなのでしょうね。釈迦がその下で悟りを開いたという菩提樹は、そのインドボダイジュなのでしょう。仏教が伝わった中国にはその菩提樹がなく、別の木を菩提樹と呼んだ。それがシナボダイジュで、日本のシナノキの近縁種です。
このシナボダイジュのヨーロッパにある兄弟がオウシュウボダイジュ。でも日本の菩提樹は、昔どおりシナノキと呼んでいます。と、いつもと同じことを繰り返してしまいました。年寄りなのでお許しを。
オオバボダイジュの種、どこかにまいてみようかな?