ここだけのことなのか、日本全体に関わることなのか?
以前、「ぼくが散歩する森で、ミツバチなどの昆虫が激減している」という投書をしたとき、「原因は米の自由化でブランド米の品質を上げるために使われる農薬が関わっているのではないか」という部分を、担当記者の助言で削除しました。根拠に乏しいということで。でも、これはぜひ報道関係者に調査してほしいと思ったのです。米の品質を悪くする主原因はカメムシだそうで、これは畦の草にいる。無農薬農法では、あえて畦の草を残すことでカメムシの居場所を確保するのですが、普通は除草して殺虫剤を撒きます。この薬剤が、近ごろ問題になっているニコチノイド系です。
激減しているのはミツバチだけではなく、テントウムシまで姿を消しました。
さて今日の本題、松枯れです。
ここ2~3年で、松林の中に茶色く枯れた木が目立つようになりました。国有林は森林管理局の予防、伐採が間に合わなくなっているようです。
去年、まだ枯れていない巨木を、いわゆる「空師=そらし」の手を借りて伐採していたのに、先日からすぐ近くの巨木がこんな状態です。
根本におがくずのような木くずが大量に散らばっています。マツノマダラカミキリというカミキリムシの幼虫がこの木を内部から食い荒らしているのでしょう。これはすでにマツノザイセンチュウという線虫が食い荒らして木を弱らせているからです。あまりに大きな木なので見上げたことがなかったのですが、この木くずに気がついて見上げると、完全に茶色く枯れていました。
海岸沿いの国道7号線を走っても、枯れた松の木が目立ちます。
この線虫は、もともとは日本にいなかった外来生物だそうですね。それがマツノマダラカミキリという新しい宿主を得て猛威を振るっています。線虫はカミキリムシの体内に入って運ばれ、新しい木を食い荒らすのです。そうして弱った木を今度はカミキリムシが食い荒らす。カミキリムシと線虫の共生関係が被害を広げているのです。手をつけられないほどスピードが増しているように見えます。
先日の台風では、市内でも西風に運ばれてくる潮風のきついにおいを感じました。塩害で枯れた草や木も見ました。もしこの松林がなくなれば、塩害や雪害、飛砂の被害は増大すると思われます。
国難というのは、こういうことを言うんじゃないのかな?