「万里の松原」と呼ばれる防風防砂林では、年に2~3回、下草刈りが行われます。私たちの散歩コースでは、ウバユリ(オオウバユリ)が一株あるのですが、たいてい芽を出してまもなく刈られてしまいます。でも、今年は下草刈りが少し遅れたためか、蕾が育ってまもなく咲きそうだというところで刈られてしまったのです。刈られた草は、そのまま放置されて堆肥になるので、ウバユリも倒れたまま枯れていきました。
ところがしばらくすると、蕾の部分が空に向かって立ち上がったのです。同じユリ科のアスパラガスのように。なんと涙ぐましい生命力でしょうか。
ある日そこを通り過ぎると、その立ち上がった蕾が「私を助けて!」と言っているような気がして、思わず家に連れ帰ってしまいました。そしてガラスのコップに挿しておいたのですが。
曲がった茎を挿したのですから、蕾は当然下を向いていたのですが、しばらくすると再びぐいと曲がって、またしても上を向きました。そしてついに、ウバユリが咲いたのです。
記念撮影は、青空の下で。
ウバユリはアイヌが根茎からデンプンを採る貴重な植物だったそうです。暗い森の湿った土に生える植物で、自然界では青空など見たことがないかもしれませんが、青天井の下で見るウバユリは、けっこう美しいかもしれません。花はこれ以上開かないようです。その点、ヒメユリさんやサユリちゃんよりは慎み深いのかも?
クスノキがない北国では、アオスジアゲハの幼虫の食草はタブノキです。タブノキが多い酒田にはアオスジアゲハがたくさんいます。
例年の夏とは違い、日本海からの西風が吹いて、ここしばらくは湿度が高い日が続きました。そのため森にはキノコが出始めました。
脳のようなこのキノコはその名もノウタケ。若い時はしわがないのですが、だんだんしわが増えていきます。知恵がつくのでしょうか? でも最後は崩壊してしまいます。怖ろしいです。
昨日くらいから風向きが東に変わり、例年のような暑い乾いた天候になりました。それはそれれでたまらない暑さですが。