朝夕、少し涼しくなり、小さなシジミチョウは体があたたまるまでじっとしています。見慣れた青いシジミチョウだと思うのですが、翅の裏側は意外にかわいいデザインになっています。ちなみにとまっているのはミズヒキソウの花。この森のミズヒキソウの95%くらいが白い花です。赤い花のミズヒキソウを珍しがって、掘って持ち帰る人がいるほどです。
森ではツリバナが「咲き」始めました。といってもこれは花ではなくて、赤く熟れた実が裂けたものです。果肉の先端には種がついていて、「これ食べて」と野鳥たちを誘っているのです。木の実は、鳥などに種を運んでもらうために様々な工夫をこらしています。ヤマボウシは、赤い実を茂った葉よりも上に出して目立たせ、アケビも熟れると急に青や紫に色づいてきます。未熟な緑色の実はほとんど目につかないし、食べてもとても渋いのですが。
さて、ツリバナはニシキギやマユミの近縁種で、春に咲く花は生成りのような白で小さく、地味で目立たないのですが、熟した実は木についたまま裂けて鳥に食べられるのを待つわけです。
以前、冬の箱根で、枯れた木々の中にピンクに染まった木があり、どんな花だろうと近づいたらマユミだったという経験があります。このツリバナは、花の柄の部分が長く、実になると吊り下げられているように見えます。ツリバナは花のように見える実の様子から名づけられたのでしょう。今年は数年ぶりにツリバナの花が多く、「花見」ができそうなほどです。
さて、酒田市では昨日市長選挙の投票日でした。目立った成果がないといわれる現職と、国政選挙に立候補するために市長を投げ出した元市長の対立候補という、どちらにも投票したくないと思う人が多いせいか、約58%という低投票率でした。
つい香港のデモについて考えてしまいます。高校生を含む学生たちは新学期ですが、自分たちに未来がないならば勉強する意味がないと、登校をボイコットを呼びかけているそうです。中国の支配が強まっても、1国2制度のもと、経済的な豊かさは保証されているのではとも思うのですが、彼らが命を賭しても失いたくないもの、いや手にしたいものは政治的自由、具体的には、自治権と自分たちの代表を選ぶ民主的な制度ということのようです。
そんなもの、この日本では当たり前のことです。では、私たちがそれを失うかもしれないと思ったら、私たちは命がけで闘うでしょうか。
この日本の政治の腐敗ぶり(もう腐敗といってもよいだろう、それほど劣化していると、ぼくは思います。)を見ると、それでもバカのように政権を信じる、あるいはあきらめている場合なのかと。
年金制度の未来予測が、国政選挙が終わってから出されるのは、情報を隠したことになりませんか? 国会がずっと開かれないのは、国会の検証(形ばかりのものに過ぎなくとも)がないの政治が行われていることで、これは独裁というのではないでしょうか?
闘う香港の同志に、熱い連帯の挨拶を送る!と堂々と言えない私たち。そう、ボーっと生きている私たち。悔しくて体が震えます。