老犬ハッチは足腰が弱り、留守番をさせることがままならない状態です。やむを得ない時には、顔なじみの元訓練士宅で預かってもらうのですが、そうたびたびというわけにもいきません。
春なのにと悶々としていたら、独りで行ってきていいよという許可を得ました。満を持して、鶴岡市大山地区の高館山、下池、上池周辺へ。春のエフェメラルたちに会いに出発です。ここは、湖といってよいほど大きな2つのため池と、こじんまりした山のある緑地で、池の排水口外側の湿地と合わせてラムサール条約に登録された保護地でもあります。因みに、スプリング・エフェメラルとは、春のかかない命という意味だそうで、咲き終わると地上から消えてしまう花だけでなく、ギフチョウなど動物も含まれるそうです。
散策路に入ると、すぐに小鳥の群れに出会いました。地面でなにかをあさっていて、近づいても木の枝に移るだけで、遠くには逃げません。撮影してから拡大すると、マヒワのようです。なかなかかわいい。たしか冬鳥のはずです。まもなく北に移動するのでしょう。
例年だと、この季節には内陸の山形市や、遠く仙台あたりから、初春のエフェメラル(はかない花や生き物)を見ようと、観光バスがやってきます。しかし、今年は新型コロナの自粛のため、あまり人がいませんでした。
ここで人気なのは、キンポウゲ科のオオミスミソウという花。山形県では雪割草とも呼びます。普通は白い花ですが、色や形の変化が起きやすく、園芸店などで高値で売られています。そのため盗掘が多く、ここでは珍しいものは見られなくなりました。一般的なのは、こんな花です。
でも、このような赤紫色の花がありました。花びらも少し変わっています。
キンポウゲ科アネモネ族のキクザキイチゲ。これも白い花と紫の花があります。
イワウチワ。高山植物のイワカガミの近縁種です。
カタクリとキクザキイチゲのツーショット。
ヒマラヤの青いケシみたいに青い色のエゾエンゴサク。これもケシ科です。
お気に入りの春限定の赤いキノコ。なぜか日当たりのよい場所で見つかります。シロキツネノサカズキモドキという長い名前です。(よく似たシロキツネノサカズキとどこが違うのかわからなくて困っていたのですが、モドキでないほうは夏のキノコだと最近知りました。)これも春のエフェメラルに入れていいですよね。