しぐるるや死なないでゐる(山頭火)
しぐれ(時雨)は、俳句では初冬の季語。「めまぐるしく降ってはやむ雨」などと説明されますが、酒田に来てから実感しました。とはいえ、時雨という言葉はほぼ文学用語で、日常的に「今日はしぐれますな」などと言う人には会ったことがありません。
「蝉しぐれ」や「しぐれ煮」なども、単に降りしきる雨というイメージなのではないでしょうか。
日本海に筋状の雲が現れる冬型の気圧配置のとき、酒田ではしぐれになります。雷を伴うこともあり、急に風が強まり、パラパラとにわか雨が降ります。しかしすぐにやみ、晴れ間があらわれます。と思う間もなくまた雨が降る。北の空は晴れていて、南の空は垂れこめた灰色の雲というような。虹が見えることも多く、「しぐれ虹」と言うらしい。
寒くなると、雨ではなく霰が降ります。雲が水滴ではなく霰でできているときは電気がたまりやすいのでしょうか、激しい雷になることが多いようです。雪の季節になっても、やはりこのような降り方をします。筋状の雲はすき間が多いので、こんなことになるのでしょうか。筋状の雲とは、小さな積乱雲が並んだ姿でではないかと思っています。すると熱低と同じ? ミニ台風がつながってる? 知らんけど。
ところでここでは西の空を見ると、すぐ先の天気が予想できます。天気は必ず西から東に移動してくるので、たとえ南に怪しい雲があっても平気、南の雲だけ要注意です。
日本海の水温が近年上昇しているとか。酒田近海でも、ブリやサワラが捕れるとか。先日はシイラを売っていました。ポリネシアで人気があるとか。なるほど、晴れた日でも西の空、つまり海の方向にはいつも雲が湧いています。
というわけで、つい先日まで、忙しく森を走まわっていたリスも、近ごろあまり見かけなくなりました。冬に備えてクルミなどを地中や木のうろに貯蔵する作業が終わって、あとは寝ながら冬を待つだけの心境になっているのでしょうか。空腹の時だけ掘り出して食べ、また巣に戻る。いい暮らしだなあ! そしてもう少しすると婚活シーズンです。夢中で走り回るので、雪の上に乱れた足跡が残ります。
ところで、最近ジョウビタキに会いました。暖かい地方では人気の冬鳥ですね。庭に来て家人に挨拶してくれるなどと。挨拶は実は縄張りの主張だそうですが。写真は雄。
ジョウビタキ
ルリビタキも山から降りてきたようで、ここ2~3日散歩の途中で会います。ヒタキ類は目が大きくて少女漫画のようです。写真は雌、または若い雄です。雄は名の通り青いのですが。ぜひ写真をクリックして、さらに目を拡大して見てください。
ルリビタキ
そして久しぶりに会ったリス。
食事中のリス
カケスも山から降りてきました。しかしやかましいぞ!
カケス