私たちの森の秋を彩るツリバナは、そろそろシーズンを終えるころですが、同属のマユミ、コマユミの鮮やかな赤い実が目立つ季節です。
ツリバナ
マユミ
コマユミ
いずれもニシキギ科ニシキギ属で、春、目立たない生成りような白い小さな花を咲かせますが、実は赤くなり、花が開くように割れ、割れた果皮の先天には赤や黄の種をつけています。色が鮮やかなのは、鳥にアピールして食べさせる戦略なのでしょう。
おもしろいのは、マユミ、コマユミの花は花弁が4枚ですが、実も4つに割れます。一方、ツリバナは花が5弁、実も5つに割れます。
鳥がこれらの実を食べている場面を見たことはないのですが、カラ類がツリバナの茂みの中で盛んに何か言い合っている声を聞いたことはあります。それに、ここで紹介するツリバナに種がついていないのは、食べられてしまったからなのかもしれません。
因みにコマユミは、庭に植えられるニシキギと同種だそうです。違いは、カミソリノキとも呼ばれるニシキギには、枝につばさとか羽と呼ばれるコルク室の板状のものがありますが、コマユミにはそれがありません。日当たりにもよりますが、紅葉もニシキギのように真っ赤になります。
そうえいば、以前、3月の箱根の山をあるいたことがあります。(雪のない低山、それも関東地方の山は、木々が葉を落とす冬や初春が、汗もかかず見通しも良くてお薦めシーズンです。)
そのとき、冬枯れの雑木林の中でピンクに染まった木がありました。梅が咲いているのかと思ったのですが、様子がちがいます。近づくと、枝いっぱいに花が咲いています。いや、もっと近寄ると、花ではなく割れた実だとわかりました。マユミだったのです。
さすがにここ庄内地方では、寒すぎるからか、雪のせいかわかりませんが、冬にはほとんど落ちてしまいます。