自宅から酒田南高校の旧校舎が見えます。今は部活で合宿や強化練習などに使われることが多いように見えます。この建物は寺が多く集まる小高い丘の上にあり、境内の松林はカラスやトンビがねぐらにしています。
写真は、松林のねぐらを出たカラスが早朝遊んでいる姿です。この建物には酒田名物の強い風がぶつかり、上昇気流になるのでしょう。それこそカラスの大好物。彼らは搭の上から風に向かって飛び降り、上昇気流に乗ってふわりと浮かび上がる。興奮して繰り返しています。よく似た行動を、昔蔵王のロープウェイ山頂駅で見たことがあります。飽きずに繰り返すカラスを眺めていると、こちらもいつまでも飽きないのでした。
ハシボソガラスの有名な行動としてクルミ割りがあります。クルミをくわえて飛び上がり、地面に落として割ったり、それで成功しないと路上に置いて車に轢かせたりするあの行動ですね。毎年見られる行動ですが、必要に駆られてというより、やはり遊びなのだろうと思います。
頭を使って考え、失敗したらまた工夫を凝らし、落下するクルミを追いかけたり、走る車の直前に投げ落としたりするスリルを味わうと、やめられなくなってしまうらしいのです。パートナーがあ愛想をつかしてどこかに行ってしまったらしい実例も目撃しています。まるでギャンブル狂いの人間の悲劇のようです。
参加者が多い年と少ない年があるように見えます。「今年はあまり熱中していないようだ」という年も。
カラスは好奇心が強く熱中しやすい反面、飽きやすい性格らしいのです。
そして今年、あちこちで見かけるのは、道路を歩いて渡るカラスです。中には横断歩道を選んで渡っているのではないかという場面も。青信号で渡っているカラスにはびっくりです。でもまあ、冷静に考えれば、信号で車が停まるわけですから、堂々と渡れると学習したのかもしれません。
先日の日曜日、酒田から鶴岡に向かって、交通量の少ない県道を走っていたら、前方に真っ黒いかたまりがあります。近づくと、たくさんのカラスがガードレールをくぐり抜けて横断しているのでした。いつもなら、ガードレールにとまって風に向かって浮き上がって遊んでいるカラスが、わざわざ歩いて渡るなんて。思わずブレーキを踏んで減速し、すぐ後ろをあおるようにくっついて来た後続車をヒヤリとさせました。
人間のやることを観察し、まねしてみたいカラスが「みんなで渡ればこわくない」を実験しているのかも。